せんにんのいし

こどものとも|2025年12月号

ある日、ボノさんの家の前に、大きな石が落ちていました。森に捨てても、海の底に投げ込んでも、何度でもボノさんの家に戻ってくる、ちょっと不気味でへんてこな石。実はその石には小さな仙人が住んでいて、ボノさんと友達になるためにやって来たのでした。仙人に招かれて、ボノさんは石の世界の中へ。不思議な生き物や美しい光景に出会う、心躍る冒険の始まりです。

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作者のことば

ひとりぼっちの石
たむらしげる

水石(すいせき)という趣味がある。手で持てるほどの手頃な大きさの石を、おもむきのある山や島などに見立てて床の間などに飾って楽しむ。名石と言われる形や色の良い石は高額で売買されているらしい。近所で拾ってきた石でも、机の上に置き視点を下げて見上げると、大きな岩山のように見え、植物や動物、川や滝、建物や人などを空想で配置すると幽玄な世界に変貌する。

子どもの頃、私の家では国道沿いで運転手相手の小さな食堂を営んでいた。ある日、手動クレーンを積んだ小型トラックが止まった。荷台には1メートル以上ある大きな石が積んである。トラックの運転手が降りてきて父に言った。「旦那さん、石はいらんかね」「石って?」「この駐車場に庭石を置くとおもむきが出ると思ってね」駐車場といっても広いだけの何もない場所だ。「庭石はいらないよ」「石を置いてその周りに木を植えれば良い駐車場になるよ。川の上流から採石してきたのだけど、庭石はこれから値が上がるし今なら安くしておくよ」お人好しの父は言い負かされて石を買わされてしまった。「どこに置くかね? この真ん中にドーンとどうかね」「いや、そこは駐車の邪魔になる。こっちの端っこに置くしかないな」クレーンに吊られた石がズシン! と地響きを立てて駐車場の端に置かれた。その後、石の近くに木が植えられることもなく、ひどく場違いで、ポツンと置かれた石が寂しそうに思えた。

10数年ほどして私の家は商売を変えることになり、建物と石はそのままに別の町に引っ越した。私は時々思った。「あの石、今はどうなっているかな」置かれてから70年近く経った今なら仙人が住んでいるような気もする。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
32ページ
サイズ
26×19cm
初版年月日
2025年12月01日
シリーズ
こどものとも
ISBN
テーマ

みんなの感想(2件)

こどもも待ちに待った最新の絵本。作者のたむらしげるさんの描く絵が大好きで、購入後すぐに読みました。まだ3歳なので少し内容が難しいかな?と思いましたが、説明しながら読むと理解できたようで、読んでいてとても楽しかったです。お正月に甘酒を出すと、絵本で見た甘酒を覚えていて「これ絵本と一緒!!」と喜んでくれました。

ボノさんが大きな石を何度捨てても、家の玄関や家の中に戻ってきてしまうのは大人からしたらちょっとしたホラーですが、年中の息子は石が戻ってくるたびに大喜びで笑っていました。特に海に落としてビチャビチャの石が戻ってきて風邪を引いてしまったところがお気に入りだそうです。そこからボノさんは風邪を引いてしまった仙人に甘酒を届ける冒険に出るのですが、その道中の冒険を楽しんでいる様子を見て息子もワクワクしていました。この絵本を読んだ後に一緒に冒険ごっこをして遊びました。

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