はてなさん
こどものとも年中向き|2026年3月号
新しいマンションで主人公は「はてなさん」と「あのこ」に出会います。顔も姿も見えず、話していることも分からない……。不思議に思っていると「はてなさん」の家のパーティーに招かれます。部屋に入ると、そこにはきらきらのシャンデリアとピンクのソファ、ピアノが置いてありました。不思議なお客さんもやってきて、いよいよパーティーが始まります。
- 読んであげるなら
4才から - 自分で読むなら
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こどものとも年中向き|2026年3月号
新しいマンションで主人公は「はてなさん」と「あのこ」に出会います。顔も姿も見えず、話していることも分からない……。不思議に思っていると「はてなさん」の家のパーティーに招かれます。部屋に入ると、そこにはきらきらのシャンデリアとピンクのソファ、ピアノが置いてありました。不思議なお客さんもやってきて、いよいよパーティーが始まります。
その子
吉岡さやか
5歳の頃、引っ越しをしました。新しいマンションは大きくて、子供の目にはデパートのビルみたいに見えました。廊下は長く、はてしなく続き、地下駐車場は暗く、巨大なほら穴みたいでした。屋上は広く、その頃のデパートみたいに遊園地があるんじゃないか、なんて思っていました(ありませんでした)。ときどき一人でエレベーターに乗り、屋上から地下まで、全部の階を見て歩いたものです。すみずみまで。何周も。子供がたくさん住んでいるようなのに、私にはまだ一緒に遊べる友達がいませんでした。
そんな時、その子に会ったのです。最初は知らんぷりをして通り過ぎました。なんとなくいじわるそうな子に見えたからです。むこうもそう思っていたかもしれません。でも、何度か顔をあわせるうちに仲良くなり、二人で遊ぶようになりました。中庭、非常階段、自転車置き場、どこでも遊び場になりました。家についていくと、同じマンションの同じ間取りのはずなのに、うちの家とは全然違っていて、びっくりしたことを覚えています。私たちは一番の友達になり、一時は毎日のように一緒に遊んでいた気がします。
数年前、実家のそのマンションで、その子らしき人を見かけました。お互い中年になり、面影も何もないようなものでしたが、私にはすぐ分かりました。そばに、当時のその子そっくりな、子供を連れていたからです。
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