てんとうむし、とんだ!

ちいさなかがくのとも|2026年4月号

葉っぱの上に、てんとうむしをみつけたよ。てんとうむしは、葉っぱを伝い、茎をのぼり、上へ、上へと歩いていく。草のてっぺんにたどりつくと、はねを広げて、大空へ飛んだ! 今度はわたしの手から飛ばしてみたいな。てんとうむしを手のひらにのせると、指をのぼり、はねを広げて飛んでいった! おてんとさんに飛んでいった!

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作者のことば

虫は自然の小さな使者
澤口たまみ

子どもの目は、こんなにも強い輝きを放つものなのだと、心から驚かされた経験が何度かあります。それはわたしの知る限り、おもちゃで遊んでいるときにはほとんど見ることのない光です。子どもが虫という生き物に興味を持ち、もっとよく見たいと願うようになったそのとき、子どもの傍らにいるおとなが、それと分からぬほどのさりげなさで、虫と子どもの橋渡しをすることができれば、多くの子どもは歓声をあげるでしょう。

「あっ、虫がわたしの手のうえを歩いてる!」

子どもの目が強い輝きを発するのは、いつも決まってこの瞬間です。子どもはこのとき、虫に「いのち」があるのだと、感覚的に理解しているように思います。小さくて動くだけなら、虫とおもちゃの違いはありません。でも虫は生きていて、脳があって意志を持ち、こちらの思い通りにはならないのです。わたしたち人間にとって自然は必要不可欠ですが、自然が思い通りにならないことも事実です。虫たちは、そんな自然からの小さな使者のように、わたしには感じられます。

思い通りにならないからこそ、子どもたちは虫と触れ合うなかで、その後の人生において大切な意味を持つ経験をし、考えを深めるでしょう。

今回のおはなしは、わたし自身が鮮明に記憶していた子どものころの体験と、その日の晩に、覚えたての字でお気に入りのノートに書いた「てんとうむしが とんでった。てんとうむしが わたしの ゆびから とんでった」という短い詩がもとになっています。そのとき幼いわたしの目は、テントウムシと触れ合った喜びに輝いていたことだろうと、いまも懐かしく思い出すのです。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
23×20cm
初版年月日
2026年04月01日
ISBN
テーマ

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