福音館書店

とかげ

かがくのとも|2026年5月号

とかげは、都会の道端や公園などでも見ることのできる、身近な爬虫類の代表です。巣穴を掘って暮らしていたり、母とかげが卵の世話をしたり、大人と子どもで身体の色や模様が全く異なっていたりと、その生態は驚きに満ちています。私たちの暮らしのすぐそばで懸命に生きている小さな生き物の、知られざる奮闘ぶりを描いた絵本です。

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作者のことば

身近な生き物の代表
竹中 践

トカゲを見かける場所はだんだん減ってきています。それでもトカゲは、身近な生き物の代表と言えるでしょう。それは、そっと近づいて、ゆっくり観察できるからです。私が子供の頃からトカゲを観察している場所は、東京都庁が見える緑地公園ですが、石垣に出てきてじっとしているトカゲを今でも観察できます。

現れたトカゲを観察する場面は、日光浴を行っていることが多いと思います。は虫類は、草むらでとぐろを巻いているヘビや、池のふちの石の上で「こうら干し」をしているカメなど、日光浴をしているところをよく見かけます。日光浴は体温を上げるためで、あたたまるとすばやく動いて、獲物をつかまえ、天敵から逃げるといった暮らしをしています。夜に出てくるヤモリはどうなの、と思うかもしれません。ヤモリも昼間、日が当たっているところに出てくることがありますが、夜は、さすがに体温が低くなります。は虫類は体温を上げることもあるけど、体温が低いままでもだいじょうぶという動物なのです。トカゲも体温が下がる巣穴の中で生活して、産んだ卵の世話をすることもあります。

ところで、「トカゲ」と呼んでいる種類には、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲ、オカダトカゲの3種類がいます。また、奄美大島や沖縄島などにはオオシマトカゲやオキナワトカゲなどがいます。これらの「トカゲ」(トカゲ属)の生態や習性はよく似ていますので、この本の「トカゲ」はお住まいのある所の「トカゲ」と考えていただいてよいでしょう。ちなみに北海道はヒガシニホントカゲ、四国と九州はニホントカゲです。

トカゲの幼体はしっぽが青いことがよく知られています。光沢のある青いしっぽが切れてばたばた動くとヘビなどの天敵の目を引くのは確かですが、「それなら、なぜ目立つ色なの、目立たないほうがねらわれないのに」と言った声が聞こえてきそうです。実はこの目立つしっぽの色の理由は研究者のあいだでも意見がいろいろあります。尾が容易く切れることを自切と言いますが、青い尾が自切する場面など、トカゲが成長して生活していくときに何がおきるか、トカゲの身になって考えてみるとおもしろいかもしれません。

トカゲのメスは産卵後に、そのまま巣穴にとどまって卵の世話をします。卵の発生が進んでいくためには適度な湿度が必要で、巣の中の適度な湿り気の場所に運びます。また、カビがつかないようになめて世話をすると言われています。

トカゲのオスは、他のオスと出会うと咬みあってたたかいます。お互いに頭を突き出して噛みつかせて、離れていったほうが負けとなります。大人のオスはあごから喉にかけてオレンジ色になりますが、堂々とオレンジ色を見せているオストカゲの姿は、まるでその場所の支配者のようです。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
28ページ
サイズ
25×23cm
初版年月日
2026年05月01日
シリーズ
かがくのとも
ISBN
テーマ

みんなの感想(1件)

こんにちは。先日、長野市の平安堂で「とかげ」を購入。わが家の庭には、カナヘビがたくさんいて、私のお友達です。「とかげ」と「カナヘビ」(当地では、カナチョロ)は、別物とサイトを読んで知りました。4月19日、庭に小さなカナチョロさんが現れました。3匹ほどいるようです。「お久しぶり〜」と声を掛けましたが、もちろん去年のカナチョロさんではありません。もう、辺りの何もかも珍しくてワクワクドキドキキョロキョロ。見ている私も同じくワクワク。勝手に友だち宣言して見つめたりカメラを向けたりする変な動物に閉口しているかも知れません。ヘビ君も庭の小川の石垣に住んでいるので気をつけてね。絵本そのままの、わが家の庭(雑草地)で、この絵本をカナチョロさんに読み聞かせてあげたいです。

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