福音館書店

森に咲く銀色の花

ギンリョウソウ

たくさんのふしぎ|2026年6月号

春になるとひっそりと銀色の花を咲かせるギンリョウソウ。光合成をせずにキノコに寄生して生きる変わった植物です。作者はある日、森の中で赤みがかった色の珍しいギンリョウソウを見つけました。もしかしたら新種のギンリョウソウかもしれない。花や根の形を比べたり寄生する菌類を調べたり……。様々な調査から、ギンリョウソウの進化の謎を解き明かしていきます。

  • 読んであげるなら
  • 自分で読むなら
    小学中学年から
※単品のご注文は書店にて承っております。詳しくは書店にお問い合わせください。
¥880(税込)
電子書籍 ○

● お申し込みについての詳細はこちら

● 海外への発送をご希望の方はこちら

この商品をシェアする

作者のことば

「僕」を植物学者にしたギンリョウソウ            
末次健司


子どものころの私は、森で遊ぶたびに足もとばかり見て歩く子どもでした。ある雨上がりの日、湿った落ち葉のあいだから、銀色に光る「小さな竜」が顔を出しているのを見つけました。ギンリョウソウです。その不思議な姿に胸がどきどきしたことを、今でもはっきり覚えています。

この本は、ギンリョウソウと出会った子どものころの「僕」が植物学者になるまでの道のりを、ギンリョウソウを通してたどった物語です。ギンリョウソウが森で花を咲かせるのはごく限られた時期だけ。その開花の季節に合わせて、この本も六月号として世に出ることになりました。

ページをめくると、二十年かけてたどりついたキリシマギンリョウソウの新種記載の物語が登場します。「名前を付けるってどういうことだろう」「新種はどうやって発表するのだろう」「植物学者って、毎日何をしているのだろう」。そんな疑問に答えられるよう、できるだけ丁寧に描きました。また、写真だけでは伝わりにくい部分は、安斉俊さんの絵が想像を助けてくれます。地面の下でキノコの菌とつながる姿や、新種記載までの道のりなどが、より深く理解できるはずです。

前作『「植物」をやめた植物たち』(たくさんのふしぎ傑作集)は、たくさんの菌従属栄養植物を紹介する、いわば「図鑑に近い一冊」でした。今回の本は登場する植物の種数こそ多くありませんが、「新種」というわかりやすいテーマを軸にすることで、研究の世界になじみのない方でも読み進めやすい内容になったと自負しています。

また専門的な部分については前作同様、あまり妥協はしていません。「まだ名前のついていない種」「命名規約にもとづき、初めて正式な名前が与えられた種」「長い時間のあいだに分かれた進化の結果としての新たな種」。どれも「新種」という言葉で表せますが、その違いも読み終えたころには自然と理解できるはずです。

研究の現場は、「難しいことをしている場所」ではありません。「なんとなくいつもと違う」「花の形が少し丸い」「咲く時期が微妙にずれている」など、小さな違和感に気づくことが、大きな発見につながるのです。本を読んだ皆さんが、身の回りの草や木をいつもより少しだけじっくり観察してみようかな、と思ってくれたら、それ以上にうれしいことはありません。ギンリョウソウの銀色の花が森の中にあらわれる季節に、この本が皆さんのもとに届き、「不思議だな」「もっと知りたいな」という気持ちのタネを、そっと心の中にまいてくれますように。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
40ページ
サイズ
25×20cm
初版年月日
2026年06月01日
ISBN
テーマ
電子版

みんなの感想(1件)

『「植物」をやめた植物たち』も購入しています。今回大好きな『ギンリョウソウ』で刊行されるのをすごく楽しみにして予約しました!

※いただいた感想は編集を加えたうえで、弊社宣伝物に使用させていただくことがございます。また、本サイトのより良い運営を妨げると判断した感想は、予告なく削除する場合がございます。ご了承ください。

※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご質問・お問い合わせについてはこちらをご参照ください。

※ご登録いただいたメールアドレスは、レビューに関する弊社からの問い合わせや連絡等の目的以外には使用しません。

あなたへのおすすめ

あのねメール通信

著者のエッセイや新刊情報を
毎月メールで配信します。

SNSで最新情報をチェック