福音館書店

ぽちっと

ちいさなかがくのとも|2026年7月号

今日はおでかけ。お母さんから“ぽちっと とうばん”を任されたちーちゃんは、横断歩道を渡るとき、バスから降りるとき、ボタンを“ぽちっと”押します。最後はインターホンのボタンを“ぽちっと”。ピンポーンと鳴って出てきたのは、大好きなおばあちゃんでした。“ぽちっと とうばん”よくできました。私たちの暮らしを支えるボタンがたくさん登場する絵本です。

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作者のことば

「とうばん」の使命感
ひがしちから

僕がよく顔を出している保育園には、「おとうばん」という役目があります。「おとうばん」は日替わりで、選ばれた子どもたちは、クラスを代表して特別な仕事を任されます。歌を歌ったり、給食の手伝いをしたり、出席人数を伝えたり、内容は様々です。子どもたちは「おとうばん」が誇らしいようで、時々、「あのね、わたし きょう、おとうばんなんだ」と教えてくれます。

絵本の中で、ちーちゃんは「ぽちっと とうばん」に任命されます。おばあちゃんの家にはよく行っているようなので、初めてではなさそうです。それでも仕事を任されたからには、できるところを見せたいと頑張ります。

よく見ると、ボタンをぽちっと押す時、ちーちゃんはあまり笑っていません。ぽちっとするのは楽しそうなのに、なぜ笑顔ではないのか。これは、ちーちゃんがぽちっとすることは遊びではなく、大切な仕事だと思っているから。子どもは内容が遊びみたいでも、頼まれた仕事となると真剣なんです。

以前、絵本を描くとき、子どもたちがどんなふうに遊ぶのか知りたくて、遊び方を指定し、「こんなふうに遊んでほしい」とお願いしたことがあります。すると、子どもたちは、何やら、先生に仕事を頼まれたぞ、しっかりやらねば、という使命感を滲ませて、一所懸命、その遊びをやってくれました。最初から最後まで、一切笑顔なしで。楽しく遊んでいるところを見たかったのに失敗したなあ、と思いつつ、最後、僕が「ありがとう、手伝ってくれて」と声をかけた瞬間、子どもたちは、ぱっと笑顔になって、部屋に戻っていきました。

そんな出来事があったおかげで、「ボタンをぽちっと押す」という魅力的なテーマと、「とうばん」という使命に燃えるちーちゃんの素敵なお話が生まれました。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
23×20cm
初版年月日
2026年07月01日
ISBN
テーマ

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