福音館書店

はいたつやのスピック

こどものとも|2026年9月号

 チーターのスピックは配達屋さんです。自慢の俊足を生かして、なんでもどこでもスピーディに荷物をお届けします。お客様に確実に荷物を届けるために、時には友だちの助けも借りながら真摯に働く姿は、読者を魅了するでしょう。「こどものとも」2024年5月号『ステッドのホテル』と地つづきの世界をお楽しみください。

  • 読んであげるなら
    5・6才から
  • 自分で読むなら
    ー
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作者のことば

クリスマスイブのサンタクロース
くら ささら

大学生の時、放送研究部に入っていた。同じ1年の部員に、K君という人がいた。彼はある島から大学入学を機に出てきて、一人暮らしをしている法学部の学生だったのだが、そんな彼が、冬になってピザの配達のアルバイトを始めることになった。「島には信号がなかったから、いちいち信号で止まらなくちゃいけないのにまだ慣れないよ」と言うK君に、部員たちは「そんなんで、バイクで配達できるのか!?」と心配した。

その冬のクリスマスイブの夜。私とN君は、一人暮らしのY子のアパートへ行き、3人でK君がいる店にピザを頼むことにした。Y子が電話で注文して、「今から30分くらいかかるみたい」と言うと、「30分過ぎたらタダになるぞ!」とN君。3人で時計を見つめていると、20分ほどでインターホンが鳴った。

Y子がドアを開けると、サンタクロース姿のK君がいた。「早すぎるよ!」とN君。K君は、部屋の中に部員の3人がいることに驚き、Y子に「電話を取ったの僕だったけど、まさかY子だとは気づかなかったよ。ここに住んでるんだね」と言った。K君が帰り、3人でピザを食べ始めると、それは舌がやけどしそうな熱さだった。「Kは、できたてを信号無視とスピード違反して運んできたのかもしれないな」とN君。「K君は法学部の優等生だから、ルールは守る」「店、実はここから近いから」と私とY子が言うと、「2人ともKのファン?」とN君が笑い、私とY子も笑った。 

そんなことを思い出しながら書きました。スピックのお仕事姿を、どうぞ見守ってあげてください。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
32ページ
サイズ
26×19cm
初版年月日
2026年09月01日
シリーズ
こどものとも
ISBN
ー
テーマ
ー

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