作者のことば
クリスマスイブのサンタクロース
くら ささら
大学生の時、放送研究部に入っていた。同じ1年の部員に、K君という人がいた。彼はある島から大学入学を機に出てきて、一人暮らしをしている法学部の学生だったのだが、そんな彼が、冬になってピザの配達のアルバイトを始めることになった。「島には信号がなかったから、いちいち信号で止まらなくちゃいけないのにまだ慣れないよ」と言うK君に、部員たちは「そんなんで、バイクで配達できるのか!?」と心配した。
その冬のクリスマスイブの夜。私とN君は、一人暮らしのY子のアパートへ行き、3人でK君がいる店にピザを頼むことにした。Y子が電話で注文して、「今から30分くらいかかるみたい」と言うと、「30分過ぎたらタダになるぞ!」とN君。3人で時計を見つめていると、20分ほどでインターホンが鳴った。
Y子がドアを開けると、サンタクロース姿のK君がいた。「早すぎるよ!」とN君。K君は、部屋の中に部員の3人がいることに驚き、Y子に「電話を取ったの僕だったけど、まさかY子だとは気づかなかったよ。ここに住んでるんだね」と言った。K君が帰り、3人でピザを食べ始めると、それは舌がやけどしそうな熱さだった。「Kは、できたてを信号無視とスピード違反して運んできたのかもしれないな」とN君。「K君は法学部の優等生だから、ルールは守る」「店、実はここから近いから」と私とY子が言うと、「2人ともKのファン?」とN君が笑い、私とY子も笑った。
そんなことを思い出しながら書きました。スピックのお仕事姿を、どうぞ見守ってあげてください。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 32ページ
- サイズ
- 26×19cm
- 初版年月日
- 2026年09月01日
- シリーズ
- こどものとも
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
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