福音館書店

すなに ぎゅー

ちいさなかがくのとも|2026年9月号

砂に手をぎゅーっと押しつけると……砂にくっきりと手の跡がついた。貝殻をぎゅーっとしたら、砂の上で松ぼっくりを転がしてみたら、どんな跡が残る? 砂さえあれば楽しめる遊びが、造形作家の古賀充さんの手によって、美しい写真絵本となりました。絵本を読んだ後は、ぜひ実際に「すなに ぎゅー」をしてみてください。どんな跡に出会えるでしょうか。

  • 読んであげるなら
    3才から
  • 自分で読むなら
    ー
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作者のことば

砂と波と光と風と
古賀充

砂浜を歩いて、波打ち際まで行きます。波で水分をふくんだ砂には、くっきりとしたきれいな足あとが残ります。そこに太陽があたり、光と影が生まれ、形が浮かび上がってきます。美しいあとは、砂と波と光がつくり出していると気がつきました。

絵本づくりは見えない自然との共同作業の日々になりました。太陽は空に弧を描きながら移動して、光と影は刻々と変化していきます。撮影しようという時に影が変わってしまうことや、雲で隠れてしまうこともありました。せっかくつくったあとが、波に消されてしまうこともありました。消されてはつくってを繰り返していると、まるで一人で波と遊んでいるようでした。葉っぱが風で飛ばされてしまい波の上まで追いかけたこともありました。全てが動いている! 自然のいたずらに振り回されることもあれば、全ての要素がぴたっと重なって美しい景色を見せてくれることもあります。そんな時、そこにある自然と気持ちが合わさったようなうれしさを感じます。いつ現れるかわからない良いタイミングを見逃さないようにしっかりと準備をして、毎日毎日、海岸に向かいました。

大きな顕微鏡のように三脚を立てて、カメラを覗き込んで見る砂の表面は、どこか遠い星の地表にも見えてくることもありました。砂から始まった想像を自然はどこまでも広げてくれます。

波は全てのあとを洗い流して、今日も砂浜は、生まれたての美しいキャンバスとなって現れます。子どもの足あと、大人の足あと、犬や鳥の足あと、波の模様や風がつくりだす美しい風紋。砂浜は、私たちの暮らしや目に見えないものを写し出してくれます。足元に広がる宇宙を、ぜひ砂浜で感じてください。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
23×20cm
初版年月日
2026年09月01日
ISBN
ー
テーマ
ー

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