
2014年6月18日 Vol.166 |
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だるまちゃん、雨の日は何して遊ぶ? |
いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
梅雨らしからぬ豪雨から、一転、青空が続いたり、今年の6月は気まぐれな天候に振りまわされていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
「だるまちゃん」の新作はご覧いただけましたか。今月は加古里子さんの連載エッセイ「だるまちゃんといっしょにあそぼう」の他に、「だるまちゃん」シリーズ以外の加古里子さんのおすすめ本もご紹介します。
お楽しみに!
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《1》加古里子さん連載エッセイ 第3回
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『だるまちゃんとてんじんちゃん』
加古里子 作・絵
定価(本体800円+税)
だるまちゃんは青天神ちゃん、黄天神ちゃん、黒天神ちゃんに会い、3人の仕事の手伝いをすることになりました。お米を炊いて、おにぎりを作り、畑に届けます。畑で食べたおにぎりのおいしかったこと!
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『日本伝承のあそび読本』
加古里子 著
定価(本体1000円+税)
草ずもう、ささ舟、紙鉄砲、手袋人形、影絵遊び、あやとり、あぶりだし……。古くから受けつがれてきた身近な遊びを集め、イラスト付きで解説しています。伝承遊びの本の先駆けとなった旧著を刊行当時のままに復刻しました。限定出版ですのでお早めにお求めください。
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加古里子(かこさとし) 1926年、福井県生まれ。東京大学工学部卒業後、民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事する。作品に「だるまちゃん」シリーズ、『かわ』『はははのはなし』『海』(以上福音館書店)「からすのパンやさん」シリーズ(偕成社)など500冊以上の児童書のほか、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。2013年、福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」が開館。神奈川県在住。 |

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かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく) 2013年4月に「かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく)」が開館しました。子どもから大人まで加古里子さんの世界を体感できる施設です。館内には、いろいろな作家の絵本・紙芝居を二千冊揃えるほか、加古さんが描かれた絵や絵本原画の複製画などを展示しています。
開館時間:10時~18時(毎週火曜日、国民の祝日の翌日、年末年始休館)
入館料: 無料
福井県越前市高瀬1丁目14番7号 TEL 0778-21-2019 |
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《2》「絵本に出会える場所」児童書専門店のご紹介
キッズいわき・ぱふ(京都府) |
☆いろいろな絵本を見てお気に入りの絵本を見つけたいとき、絵本に詳しい店員さんに相談にのってもらいたいとき、頼りになる児童書専門店が全国各地にあります。
今月は京都府宇治市のキッズいわき・ぱふさんにお店の紹介を寄稿していただきました。 |
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キッズいわき・ぱふは、絵本と木のおもちゃの専門店です。1987年にオープンし、今年で27周年になります。ぱふの前身は「岩城屋」という酒屋で、それが駄菓子屋を経て父親の代で「いわき玩具店」となり、私はおもちゃ屋で生まれ育ちました。子どもの頃は、おもちゃ屋の子どもでいることがとても嬉しかったのですが、思春期以降、自分が後を継ぐおもちゃ屋は、本当に子どもを育む職業なのか悩み始めました。おもちゃや遊びは子どもの成長にどう大切なのか? 学びたくても、教えてくれる本や大学はありませんでした。日本では、今もおもちゃと遊びの理解が進んでいません。どうしても主流は電気仕掛けで光る、鳴る、動く、内容が暴力や性的なものになっています。
そのように悩んでいた学生時代、私はキャンプなどのボランティアリーダーをしており、そこで絵本の好きな女性と出会い、恋をしました。恋のパワーとは凄いもので、彼女と話題を合わせる為に、ひと夏で図書館の絵本を読んでしまいました。その時に出会った素晴らしい絵本は、二十歳の大人を感動させてくれました。これがきっかけで、いわき玩具店に絵本が並び始めます。
「良い絵本とは何か?」が盛んに議論された時代(1979年頃)に、悪い絵本よりさらに悪いおもちゃの横に絵本を並べることに、多くの絵本仲間から批判されました。しかし、子どもの為に大人が想いや願いを込めた絵本があるように、きっと良いおもちゃもあるはずだ、そう信じ続けました。その意志が通じたのか、ドイツで木のおもちゃに出会います。それらは、まさに私の想いそのもので、いたく感動し、お店に並べました。これが、現在のキッズいわき・ぱふになる第一歩です。
そして30歳の時、勤めていた書店のチェーン店を辞め、1987年にいわき玩具店改め「(有)キッズいわき」を設立しました。一般の玩具売り場とは別に、私のライフワークである絵本と木のおもちゃの売り場「ぱふ」を作り、現在へと至ります。子どもの健やかな成長の為に、良質の絵本とおもちゃは不可欠、そう信じ、これからも一生懸命走り続けたい、そう思っています。
キッズいわき・ぱふ
〒611-0021 宇治市宇治妙楽31
TEL 0774-24-4321
営業時間:10時~18時
定休日:月・火曜日(祝日は営業)
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《3》今月のおすすめ本 |
7、8月は新刊がありませんので、既刊本の中からおすすめの本をご紹介します。
今月は「だるまちゃん」シリーズ以外の加古里子さんの作品の中から選んでみました。遊び心あふれる絵さがしの絵本から、知識の本、創作の秘密をまとめた1冊まで、もうひとつの加古里子さんの魅力を味わってください。
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『ことばのべんきょうセット』
加古里子 文・ 絵
定価(本体2056円+税)
子どもの目に映るあらゆるものの名前が、愉快な絵と共に覚えられる楽しいことばの本。 |
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『とこちゃんはどこ』
松岡享子 作/加古里子 絵
定価(本体800円+税)
赤いぼうしのとこちゃんは、とても元気な男の子。ちょっと目を離すと、すぐいなくなってしまいます。子どもの大好きな絵さがしの絵本です。
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 | 『かわ』
加古里子 作・絵
定価(本体800円+税)
山の奥で誕生し、山あいを下り、平野部を流れ、最後に海へいたるまでの川の一生を、その周辺のようすも含めてこまかく描いた知識絵本の傑作。
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| 『海』
加古里子 文・絵
定価(本体1500円+税)
身近でありながら、今なお、多くのなぞを秘めている海。この海にすむ動植物から未来の海中農業、海底開発まで、海の持っているすべてを総合的に整理し、こまかく描きこんだ絵本図鑑。
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『地下鉄のできるまで』
加古里子 作
定価(本体1300円+税)
都会の地下を走る電車、地下鉄。その工事は、地下でどのように進められているのだろう。ページを繰るごとに工事が進み、地下鉄の完成までを楽しく伝えます。
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《4》書籍編集部だより |
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。今月は科学書編集部です。
科学書編集部から |
『うなぎのうーちゃん だいぼうけん』 ~うなぎに寄り添って4年~
土用の丑(今年は7月29日)が近づいてきました。うなぎの研究者である黒木真理さんに絵本の依頼をしに行ったのは、もう4年も前です。当初、私は絵本を何冊か重ねると鰻重に見えるように、表紙はうなぎの蒲焼き。周りは重箱に見えるような案を黒木さんにお話しいたしました。すると、それまでニコニコと話していた優しい黒木さんが「それだけはやめてください!」と強い口調でおっしゃったのです。
黒木さんは、数ヶ月にも及ぶ海洋調査船での研究調査に毎年でかけていきます。どこにそんなパワーがあるのか、本当に頭が下がる思いです。波で揺れる船中でも、なんども絵本の文章を練りなおしてくださいました。
絵を描いてくださったのは、須飼秀和さん。繊細かつ心温まる懐かしいタッチに心動かされたのと同時に、須飼さんのまっすぐなお人柄にも魅力を感じました。須飼さんとは、四万十川へ二度取材で行きました。四万十川を河口から、源流まで辿るハードな取材でした。雪の降る真夜中の漁の取材。その時にいただいたシラスウナギを、須飼さんはもう2年近くご自宅の水槽で育てていらっしゃいます。
うなぎに寄り添って4年。「鰻重の表紙は嫌です」と仰った黒木さんの気持ちが、今では良くわかります。企画当初は、私も須飼さんもうなぎを食べ物として捉えていたのが、今では生き物、仲間として捉えるようになったからでしょう。皆さんも本書を読んでいただき、うなぎのことをもっと知って土用の丑を迎えてみませんか? うなぎを通じて、環境問題や資源の問題にも興味を持っていただけたらと思います。
★『うなぎのうーちゃん だいぼうけん』
くろき まり 文/すがい ひでかず 絵
定価(本体1300円+税)
※ニホンウナギは国際自然保護連合(IUCN)の最新のレッドリストで絶滅危惧種に指定されました。
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《5》だるまちゃん情報、続々発信しています |
こどものとも7月号『だるまちゃんとにおうちゃん』の刊行にあたり、ホームページ上に特設ページができました。それに伴い、みんなの人気者「だるまちゃん」ページもリニューアル!「だるまちゃん」について、まるごとお伝えするブログ「まるまる だるまちゃん」も随時更新中! ぜひご覧ください。
だるまちゃん特設ページ
みんなの人気者「だるまちゃん」
だるまちゃんブログ「まるまる だるまちゃん」
全国の書店でもだるまちゃんフェアが開催中です。開催店舗はこちらから。
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《6》原画展・イベントのお知らせ |
●茨木のり子展
会期 |
2014年4月19日(土)~6月29日(日) |
休館日 |
月曜日(祝日は開館)、5月7日 |
開館時間 |
10時~18時 |
会場 |
世田谷文学館
東京都世田谷区南烏山1-10-10
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問い合わせ先 |
TEL 03-5374-9111 |
入館料 |
一般700円(560円)/65歳以上・高校・大学生500円(400円)/中学生以下無料
障害者350円(280円)※( )内は20名以上の団体料金
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関連作品 |
『貝の子プチキュー』
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●第34回企画展 世界文化遺産登録1周年記念 「富士山と鉄道」
●あべ弘士の動物塾
開催日時 |
1.2014年5月11日(日) 14時~16時(4月2日より受付開始) 終了
2.2014年6月22日(日)14時~16時(5月1日より受付開始)
3.2014年7月27日(日)14時~16時(6月1日より受付開始)
4.2014年8月23日(土)13時~15時(7月2日より受付開始)
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会場 |
子どもの本専門店 メリーゴーランド
三重県四日市市松本3-9-6 |
問い合わせ先 |
TEL 059-351-8226
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参加費 |
各回:大人2,500円 子ども1,500円(※)
年間パス:大人9,000円 子ども5,000円(※) ※小学5年生以上 |
内容 |
あべ弘士さんと共に、動物について、生命について、これからの地球について学び合います。
【各回テーマ】
1.いまなぜ動物園が人気なのか?
2.野生動物はいま
3.動物と人間の共存のために
4.動物園へ行こう!
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● ちひろ美術館コレクション びっくり!絵本水族館
会期 |
2014年5月21日(水)~8月3日(日) |
休館日 |
毎週月曜日、7月22日 |
開場時間 |
10時~17時(入館は16時30分まで) |
会場 |
ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2
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問い合わせ先 |
TEL 03-3995-0612 |
入場料 |
一般800円、高校生以下無料 ※20名以上の団体、65歳以上は100円引き
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関連作品 |
『おへそがえるごん 3冊セット』
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● 開館10周年記念特別企画 薮内正幸の足跡 I
会期 |
2014年3月21日(金)~7月15日(火) |
休館日 |
毎週水曜日 |
開場時間 |
10時~17時(入館は16時まで) |
会場 |
薮内正幸美術館
山梨県北杜市白洲町鳥原2913-71
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問い合わせ先 |
TEL 0551-35-0088 |
入場料 |
高校生以上500円 小・中学生200円 幼児無料
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関連作品 |
『復刊・薮内正幸 日本の野鳥セット』
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● 平澤朋子 「ニルスが出会った物語」 原画展
●美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方
会期 |
2014年7月5日(土)~9月7日(日) |
休館日 |
月曜日(7月7日、7月21日、8月4日、9月1日は開館)、7月8日、7月22日、8月5日、9月2日 |
開館時間 |
9時40分~18時(入館は閉館の30分前まで) |
会場 |
愛媛県美術館
愛媛県松山市堀之内
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問い合わせ先 |
TEL 089-932-0279 |
入館料 |
一般1300円(1100円) 高校・大学生900円(700円) 小・中学生400円(200円)※( )内は前売料金、20名以上の団体料金
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関連作品 |
みんなの人気者ページ「うさこちゃん」
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●NTT西日本スペシャル おいでよ!絵本ミュージアム2014
会期 |
2014年7月25日(金)~ 8月17日(日) |
休館日 |
会期中無休 |
開館時間 |
10時~18時(入館は閉館の30分前まで) |
会場 |
福岡アジア美術館
福岡市博多区下川端3-1
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問い合わせ先 |
NPO子ども文化コミュニティ TEL 092-552-1540 |
入館料 |
一般900円(700円) 高校・大学生600円(400円) 小・中学生400円(300円) 未就学児無料 ※( )内は前売料金、20名以上の団体料金 |
関連作品 |
『ロボットのくにSOS』『めっきらもっきらどおんどん』
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●もーやんとえっちゃんの絵本原画展 えほんはつづく
会期 |
2014年6月28日(土)~9月7日(日)
前期:6月28日(土)~8月3日(日) 後期:8月5日(火)~9月7日(日) |
休館日 |
月曜日(祝日の場合は翌火曜日)7月6日(日)休館、7月7日(月)開館(開館記念日のため入館無料) |
開館時間 |
10時~18時(入館は閉館の30分前まで) |
会場 |
BBプラザ美術館
神戸市灘区岩屋中町4丁目2番7号BBプラザ2F
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問い合わせ先 |
TEL 078-802-9286 |
入館料 |
一般400円(320円) 大学生以下は無料 ※( )内は前売料金、20名以上の団体料金
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関連作品 |
『カニ ツンツン』『あみだだだ』ほか
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●ハンス・フィッシャー絵本原画展
●村岡花子と「赤毛のアン」の世界展
会期 |
2014年7月4日(金)~9月28日(日)
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休館日 |
月曜日 ただし、7月21日(月・祝)開館、翌22日(火)休館 、8月11日(月)臨時開館 、9月15日(月・祝)開館、翌16日(火)休館 |
開館時間 |
10時~17時(入館は閉館の30分前まで) |
会場 |
弥生美術館
東京都文京区弥生2-4-3
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問い合わせ先 |
TEL 03-3812-0012 |
入館料 |
一般900円 高校・大学生800円 小・中学生400円 |
関連作品 |
『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』『アンディとらいおん』『ごきげんならいおん』
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