
2015年12月2日 Vol.201 |
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クリスマスの準備はいかがでしょうか… |
いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
12月に入ると、街もすっかりクリスマスの装いです。この時期読むのにぴったりな絵本や童話などを集めた「クリスマス・セレクション」をこのメールマガジンでご案内していますので、ぜひご覧くださいね。
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《1》『クリスマスの森
』 担当編集者によるエッセイ |
『クリスマスの森』について 担当編集者より |
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最初に『クリスマスの森』の原書を見たのは、古本屋さんの目録にのった小さな写真でした。その表紙にひかれ、電話してみたものの、すでに本は売れたあと。
調べてみると、神奈川県の図書館に一冊所蔵されていることがわかり、見に行きました。司書の方が書庫から大事そうに出してきてくれた本は、たくさんの人に読まれたのでしょう、年月をへてかなりぼろぼろの状態でしたが、手にとってページをめくるうちに、すぐにお話の世界にひきこまれました。
クリスマスにプレゼントを届けにいくサンタクロースが、奥さんからもたせてもらったコーヒーとサンドイッチで、森の木の根元に腰かけ一服したところ、気持ちよくなって眠りこんでしまいます。それを見た動物たちが、プレゼントが配られないのを心配して、かわりに子どもたちにプレゼントを届けてくれる、というお話です。お話を書いたルイーズ・ファティオと私生活でもパートナーだったロジャー・デュボアザンが、お話の世界にぴったりの絵を描いています。
今回の出版にあたって、すでに本につかわれた絵の所在はわからず、いま手に入れられるのは、アメリカで1950年に出版された当時の古い原書だけでした。状態のいい原書を探してきて、何冊かそろえ、装丁の木村愛さんと、それぞれの場面ごとに一番きれいに印刷されているものを選んで、それを原画のかわりにしました。そして初校、再校と修正を加えていくうちに、出版された当時をおもわせるあたたかい絵が、いきいきとよみがえってきました。
ファティオとデュボアザンの絵本は、『ごきげんならいおん』が村岡花子さんの名訳で、ながく日本の子どもに愛されてきました。今回『クリスマスの森』を訳したのは、『秘密の花園』、『あしながおじさん』(光文社刊)、「クワイナー一家の物語」全七巻(福音館書店刊)など多くの名作を訳している土屋京子さんです。絵本は初めての挑戦ですが、すばらしい訳文に仕上げてくれました。『クリスマスの森』、ぜひ手にとってみてください。 |
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『クリスマスの森』
ルイーズ・ファティオ 文/ロジャー・デュボアザン 絵/土屋京子 訳
定価(本体1300円+税)
クリスマスプレゼントを届ける前に森のはずれで一休みしたサンタさんは、そのまま眠ってしまいます。それを見た森の動物たちは、手分けしてプレゼントを届けてあげます。 |
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関連書籍
『ごきげんならいおん』
ルイーズ・ファティオ 文/ロジャー・デュボアザン 絵/村岡花子 訳
定価(本体1100円+税)
ライオンは動物園でいつもごきげん。ところがある日、檻のカギが開いていたので、動物園をぬけだし町に出かけてしまいます……。
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《2》月刊誌<1月号>のご案内 |
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《3》月刊誌編集部からこんにちは
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毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はかがくのとも編集部です。
かがくのとも編集部から
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「かがくのとも」ではテーマによって取材が欠かせません。構想を練る段階で「実際はどうなのか」「本当にそうなのか」を実物にあたって確かめます。1月号『もりのなかの あなのなか』は「動物は森の中の穴を利用している」ことがテーマなので、実際に森に入り、穴をひとつひとつ見て確かめることになりました。ご案内くださったのは軽井沢在住の研究者の方々です。
「夕方になると熊が戻ってくるので、その前までに取材を済ませましょう」とあらかじめ言われ、朝早くからリスやアナグマなどの穴の取材を始めました。絵本に描かれたとおり、紅葉の散る美しい頃です。しかし、取材が順調で、じっくり観察しすぎたためか、熊の生息地に入るのが夕方にさしかかってしまいました。特別に入場許可を取った立ち入り禁止区域へ急ぎ足で入り、車から降りると、なんと! 研究者のお二人が、熊鈴と、さらには襲われた時の最終手段としての熊スプレーまで、さっと取り出されたではありませんか。すぐ横には熊の吠えるような絵と「熊出没注意」の文字が!
作者と担当編集者は、熊棚(クマが枝を折ってエサを食べた跡)の点在する森をこわごわと進み、お借りした熊鈴を無闇に鳴らしながら歩くこと十数分、ついに熊の穴までやって来ました。爪跡の残る穴は生々しく、今にも背後から熊が現れるのではないかという想像をかき立てられ、しんと静まりかえった森に動物の気配が満ちている気がしました。
1月号『もりのなかの あなのなか』の絵には、この時のヒヤヒヤした気持ちも現れているのではないかと思います。ぜひ、お手に取ってご覧ください。
「かがくのとも」についてもっと知りたい方はこちらへ
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《4》2015クリスマス・セレクションのご案内 |
福音館書店のHPでは、特設ページ「2015クリスマスセレクション」をご用意して、すてきな贈りものを選ぶお手伝いをしています。『ブレーメンのおんがくたい』(ハンス・フィッシャー 絵)の絵柄をかわいらしくデザインしたオリジナル袋(ポリエチレン製)にご注文の品を入れて、12月20~22日ごろお届けできるようにお送りします。 クリスマスカードもお付けしていますので、メッセージを添えて、お子さんやお友だちへのプレゼントに、ぜひご利用ください。
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《5》原画展・イベントのお知らせ
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● 「世界のブックデザイン2014-15」
概要 |
2015年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール2015」の受賞図書13点をはじめ、日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国と今回初めて紹介するデンマーク、計8カ国のコンクール入選図書、およそ200点を展示します。福音館書店からは『ふしぎなにじ—かがみのえほん』が出品されます。 |
会期 |
2015年12月5日(土)~ 2016年2月28日(日)
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会場 |
印刷博物館(東京都文京区) |
問い合わせ先 |
TEL:03-5840-2300 |
関連作品 |
『ふしぎなにじ—かがみのえほん』 |
●誕生60周年記念 ミッフィー展
概要 |
オランダの絵本作家ディック・ブルーナさんの手によって生まれたミッフィー(うさこちゃん)は、2015年に60周年という記念すべき年を迎えます。 本展では、家族や友だちなど「ミッフィーの大切なもの」をコンセプトに選りすぐった人気絵本7作品やブルーナさんの初期作品など、原画やスケッチ、制作資料など約300点を展観。1955年に初めて描かれた「ファースト・ミッフィー」(『ちいさなうさこちゃん』(第1版))の原画を世界で初めて公開します。
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会期 |
2015年12月29日(火)~2016年1月11日(月・祝) |
会場 |
福岡三越 |
問い合わせ先 |
福岡三越 TEL :092-724-3111(代表・10:00~20:00) |
関連作品 |
『うさこちゃんのたんじょうび―60周年記念特別版』
みんなのにんきものページ うさこちゃん |
●さとうわきこの世界展 ―ばばばあちゃんとたのしい仲間たち
概要 |
開館25周年を記念して、ばばばあちゃんシリーズ全11作をダイジェストで展示します。『せんたくかあちゃん』『おつかい』など、おなじみのたのしい仲間たちも大集合です。思わず笑顔がこぼれる、心あたたまる世界を、ぞんぶんにお楽しみください。 会期中は、下記のイベントも行われます。
☆クリスマス会 12月19日(土)15:00~19:00
参加費 大人4500円 中高生3000円 小学生2000円 幼児 1000円 3歳以下500円
定員:40名
締切:12月10日(木)
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会期 |
2015年11月26日(木)~2016年1月11日(月) |
会場 |
小さな絵本美術館 岡谷館 |
問い合わせ先 |
TEL 0266-28-9877
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関連作品 |
「ばばばあちゃん」シリーズ |
● 縫い その造形の魅力
概要 |
さいたま市が所蔵する愛らしい裁縫雛形を端緒として、リズミカルな刺し子や模様刺し、表と裏で表情を変える粋な羽織、物語性あふれる刺繍など、繊細でありながら大胆な縫いの造形を展示します。さらに、現代のアーティストによる多彩な表現を紹介します。 |
会期 |
2015年11月14日(土)~2016年1月17日(日)
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会場 |
うらわ美術館 |
問い合わせ先 |
TEL 048-827-3215(代表) |
関連作品 |
『セミ神さまのお告げ—アイヌの昔話より』 |
●村田朋泰さんのクラフト教室 申し込み受付中です
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