日々の絵本と読みもの

地上から空へ、そして宇宙へ。宇宙の「近さ」を感じる旅へ!『うちゅうはきみのすぐそばに』

地上から空へ、そして宇宙へ。宇宙の「近さ」を感じる旅へ!

『うちゅうはきみのすぐそばに』

「宇宙」と聞いて、みなさんはどのような場所を想像しますか?
空気がなくて、真っ暗で、重力がなくて、宇宙服を着た宇宙飛行士だけが行くことができる、わたしたちの住む地上からは遠くかけ離れたところ、でしょうか。
今回ご紹介するのは、宇宙の意外なほどの「近さ」を感じることができる絵本『うちゅうはきみのすぐそばに』です。

絵本の始まりは、広い公園。男の子の手を離れた風船が、ふわふわと空に漂っていきます。街の中を少しずつ風に流されながら、だんだんと高くのぼっていき、建物のない高さまでやってきました。今度は飛行機と一緒に雲の中を抜けると、深い紺色の空が広がっています。そして飛行機も飛ばない高さまでやってくると、昼間だというのに星が輝く、地球と宇宙との境目につきました。そして、その先にはもちろん……。

文章を手がけたのは、風船を使った宇宙撮影に、日本で初めて個人として成功した、岩谷圭介さんです。大きな風船を使って、撮影用の機体を高度30,000mほどにまで到達させ、宇宙の入口から地球を見下ろす景色を撮影しています。試行錯誤しながら撮影を行う中で、宇宙が想像以上に近くにあるということに改めて気付かされたという岩谷さん。宇宙はそばにある、地上からつながっている、ということを子どもたちに伝えようと、絵本『うちゅうはきみのすぐそばに』ができました。
地上から空へ、そして宇宙へと少しずつのぼっていく様子を描いたのは、絵本『モノレールのたび』(福音館書店)や、『そらからみると』(PHP研究所)でも上空からの景色を描いている、みねおみつさん。細部まで描きこまれた絵によって、子どもたちも楽しく地上から宇宙までの空の旅に出られることでしょう。

わたしたちの暮らす地上と、つながっている宇宙。子どもたちが宇宙に興味を持つきっかけにぴったりの一冊です。

岩谷圭介さんの「ふうせん宇宙撮影」について詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ。

2018.01.22

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