日々の絵本と読みもの

カラフルで賑やかな動物たちに、赤ちゃんも興味津々!『ちゃぷちゃぷ ぷーん』

『ちゃぷちゃぷ ぷーん』

「ぞうさん みずあそび ちゃぷちゃぷじゃー」「くまさん おすもう どすどすどっすん」「ぶたさん でんぐりがえし ごろごろごろーん」。さるは逆立ち、うさぎはジャンプ。楽しい音とリズムにあわせて、動物たちが画面いっぱいに、いろいろな遊びをします。

声に出して読んでみると、自然とふしがついて、歌をうたっているような気分に。すると、読んでもらっている赤ちゃんも心地よく聞き入って、おしりをゆすったり、リズムをとったりしながら、目と耳、さらには、からだ全体で楽しむ様子が見られます。絵本のなかの動物たちと一緒になって、とんだり、はねたりしたくなるのでしょうね。読み手も聞き手も、うれしくなって、何度も読みたくなる。そんなところが、『ちゃぷちゃぷ ぷーん』の魅力です。

このリズミカルな言葉を考えたのは、長年、昆虫絵本の第一人者として作品を描いてきた得田之久さんです。『昆虫』「こんちゅうの一生シリーズ 全5冊」などで、細密な昆虫画を描いてこられた得田さんですが、赤ちゃんの絵本は、原初的な喜びに満ちあふれていて創作するのはとても楽しいとおっしゃいます。

そして、ポップでカラフルな動物たちを描いたのは、100%ORANGEの及川賢治さん。『ぶぅさんのブー』『だっこ だっこ だーいすき』『よ・だ・れ』など、デザイン的に洗練されているのに、どこか懐かしさもあって、子どもから大人にまで大人気のイラストレーターです。
読者の方からも、「絵にあたたかみがあって好きです」「色彩鮮やかに、0歳から楽しめる絵本はとっても貴重」「子どもにとっては明快、大人には可愛くてお洒落なところが好き」など、さまざまなお声をいただいています。

さらに、ページをめくるごとに、登場する動物たちがひとつずつ増えるところも、この絵本の隠れた楽しみです。赤ちゃん向けの絵本ではありますが、兄弟で一緒に読んだり、場面ごとにお話を考えたり、一冊の絵本を長く楽しむことができるのもうれしいものですね。
言葉と絵の、のびやかな世界をお子さんと存分に味わってください。

担当M
言葉も絵も親しみがあるので、まだ絵本に慣れていない赤ちゃんやママ、パパにもおすすめの一冊です!
得田之久さんの月刊誌刊行時の「作者のことば」はこちらから。ぜひ、あわせてお読みください。

2022.06.17

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