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胴長のダックスフント、プレッツェルの続編刊行!『どうながのプレッツェルとこいぬたち』

『どうながのプレッツェルとこいぬたち』

世界一、胴が長いダックスフントのお話『どうながのプレッツェル』をご存じでしょうか。
作者は、「ひとまねこざる(おさるのジョージ)」シリーズでも有名な、H.A.レイとマーグレット・レイ夫妻です。本国で1944年に刊行されたのち、1978年に日本で翻訳出版されました。

プレッツェルは、5匹生まれたダックスフントの一匹。なぜかプレッツェルだけ胴体がずんずん伸びて、世界一胴の長い立派なダックスフントに成長しました。プレッツェルは、ドッグショーで優勝し大得意ですが、向かいの家に住む小さなダックスフント、グレタはつれない態度。プレッツェルは、大好きなグレタを振りむかせようと、あの手この手を使いますが、なかなかうまくいきません。最後は、プレッツェルにしかできない方法で、見事グレタへのプロポーズに成功し、結婚。ふたりの間には、5匹のかわいいダックスフントの子犬が生まれました、という場面でお話は終わります。

実は、このお話には続きがあり、このたび、70年以上の時を経て、初邦訳で出版されました。この幻の続編『どうながのプレッツェルとこいぬたち』は、夫となり、5匹の子犬の父となったプレッツェルと妻、グレタの子育てがショートコミックスタイルで描かれます。

5匹の子犬たちの子育てに奮闘するプレッツェルですが、前作同様、おっちょこちょいで、うまくいかないことも。グレタはそのたびに驚いたり、あきれたりしていますが、子ども思いで一生懸命なプレッツェルを信頼し、助けてあげます。

お話のひとつ、「はしになったプレッツェル」では、小さな子犬たちのために、長い胴をいかして橋になり、うまく川を渡ったかと思ったら……。失敗もふくめて、プレッツェルらしい憎めなさがあります。
1940年代にアメリカで作られた本作ですが、長い時を経た今も色あせることなく、夫婦で一緒に子育てをする家族の姿が生き生きと楽しく描かれています。
魅力いっぱいのお話が12話。忙しい子育ての合間、お子さんと一緒に一話ずつ読むのもおすすめです。前作『どうながのプレッツェル』とあわせて、お楽しみください。

担当M
『どうながのプレッツェルとこいぬたち』の翻訳を手がけたのは、渡辺鉄太さんです。1作目の『どうながのプレッツェル』は、お父さまの渡辺茂男さんが訳されており、親子2代でシリーズを担当してくださいました。刊行を記念して、渡辺鉄太さんに綴っていただいたエッセイはこちらから。本作の魅力を語ってくださいました。
 

2023.05.13

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