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黄色い夏の日

キンポウゲって、毒があるっていうじゃない

七月半ばの日曜日。初夏の日差しが落ちる道をたどり、景介の向かう先にその家はあった。中学生になって入った美術部で、建物を描くという課題がだされた時、まっ先に浮かんだのが、木々と草花に囲まれて建つ、灰色の壁と緑の屋根の古めかしいその洋館だった。主の老女に招き入れられ、足を踏み入れた洋館で、景介は1人の可憐な少女に出会う。一目見たその時から、ゆりあと名乗ったその少女に景介は心引かれていくのだが……。

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  • 自分で読むなら

    小学高学年から

カテゴリ : 読みもの
定価 : 1,980円(税込)
ページ数 : 320ページ
サイズ : 21×16cm
初版年月日 : 2021年09月10日
ISBN : 978-4-8340-8626-3
シリーズ 福音館創作童話

その他の仕様 +

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みんなの感想(8件)

  • この作品を読んで、好きな本がまた1冊ふえました。方子さんの物語を読むと、切なさや喜びを同時に感じることができます。とても心地いいものです。方子さんの今までの色々の作品をまた読み返しています。新たな作品も楽しみにしています。方子さん大好き!

    よーこさん

  • 美しくて、不思議な感じで、ちょっとこわくて、でもまぶしいほどに輝いていて、そんな一瞬の時間にとりつかれました。やや子が自分にそっくりで、びっくりしました。景介とゆりあは夏の間だけだったにしても楽しく過ごせたけど、やや子はただ二人を楽しませただけで、心の底ではつらい思いをしていたんだと思うと、自分のことのように悲しくなりました。高楼方子さんの物語は中毒性があって、うっかり足をふみ外すと大変なことになりそうな、そんな気がします。小さい子向けの物語や絵本はただ楽しくてゆかいで夢があって、それでおわりですが、大きい子向けの本には深みがあって大好きです。高楼方子さんにもっとたくさん大きい子向けの本を書いてほしいです。また出久根育さんと高楼方子さんの組み合わせが前にとても良かったので、またいっしょに本を出してほしいです。

    まどなさん
    お子さんの年齢:中学生

  • 私の子どもの頃には出会えなかった児童文学、童話。娘と一緒にメリーゴーランドに出合えた事で、ノンフィクションや社会派の本しか読んでなかった私の世界を変えてくれました。認知症のあたりは、私が介護しているオバがそうなのでちょっと辛かったけど、認知症も色々あってつや子さんのようなら恐くない! なんて思いました。私は交通量の多い幹線道路沿いで育ち、結婚後はマンション林立地帯。だから路地とか古い街並みにとっても心引かれます。メリーゴーランドで薦められた本にハズレは無く、増田さんから薦められた本は時々「う~ん」と唸り乍ら前ページに戻ったり、スマホ検索をしたり…。なのに「読みました!」と宣言するのを喜びに感じてしまう。メガネを掛け替える(老眼)わずらわしさ、それでも本を読める幸せをかみしめています。キンポウゲ…庭に育てようか、と(笑)。

    Keiさん

  • 景介くんを現実に戻すトリガーが晶子ですが、やっぱり僕は晶子が嫌いです。
    やはり行動の根底に在るのが嫉妬から来ているからでしょう。好きだからといって景介くんの秘密に無理矢理踏込んでいくことは余りにも醜いです。でも現実に生きる女の子ってこうでしょ、っと生き生きした文体で描くところが高楼さんのすごいところだな、と考えました。
    しかしながら最後に自らの行いの報いを受けたのもまた彼女であるのは痛快でした。
    素晴らしかったです。素敵な物語をありがとうございます。ドイツを訪れたことを含めて近い日にまたお手紙を書かせていただきます。

    幸城仙台さん

  • 大晦日に購入して、読みながら年を越しました。
    一ページずつ情景が浮かびました。
    以前の長編の三作品は全て好きで、とりわけ時計坂の家を大切にしてきましたが、黄色い夏の日は其れらを越えました。高楼さんの集大成だと考えます。

    今回も長編作品の一貫したコンセプトの、現実の日常と幻影への誘い、秘密の共有、そして全てを経て傷つきながらまた現実に引き戻される、といった構成をしてきました。
    今作品では、今までの作品と比べてそれが無理が無かったと思いました。

    私も景介君の想いを狂おしいほど分かります。
    私も大人ですが、中学生の時に出逢った女の子を忘れることができません。告白もしなかった。たった一度不思議な出来事があってから自身の魂の一部分を未だに空けておいていることをこの本を読んで思い出しました。やや子さんのように、それは歳を重ねても忘るることは無く、むしろ鮮明になるだろうと感じました。

    幸城仙台さん

  • 読んで不思議に面白かったです。この本は誰がいつ読むのでしょう?中学に入学した子が初めて読み、7年後大人になった時に再び読み返し、数十年後にふっと思い出すような本ですね。文中の「浦島太郎」の昔話や童話ではないけれど「青い鳥」「不思議の国のアリス」「ニルスのふしぎな旅」「オズの魔法使い」など、時間と空間、変化と変身は、70過ぎてからの老人には不条理の世界なので、少年のうちに読んでおきたい本ですね。私は「ゆりあ」の名前から、辻邦生の「ユリアと魔法の都」を昔読んだことを思い出しました。また私事ですが、今年百一歳で亡くなった母は認知症でしたが、介護施設で直前まで元気でした。「小公女」の本は喜んでいました。私が小さい頃「一寸法師」を読んで、ウチの名字が「小槌」なら母は「こづちちづこ」の回文になるなんて思ってました。更に蛇足ですが、この本には晶子をはじめ○也とか○介など、身内によく似た名前があり、ちょっと面白く思いました。この本の舞台はやはり函館でしょうか。でも場所、空間時間を超えて「もやもや休らわない」なんて言い方も「方子さんワールド」のフンイキを感じさせました。また不思議に面白い本が出ることを期待しています。

    てつじいさん

  • 「妖しく美しい、高楼方子」「待望の書き下ろし長編」帯の言葉にあるそのまま!! まってました!!古いが、何とも魅力的な家。おやづつやこさん。景介の心のうごき。ゆりあ。やや子。そして晶子の晶子らしさ。きんぽうげ(アネックス・バターカップス)どれもひきこまれました。着地もみごと!! 本として絵のつけ方も上質! すばらしい! とてもありがたいきもちです。ありがとうございました。

    モモコさん

  • 予約していたのが到着して、昨日早速拝読しました。
    途中途中で、自分の10歳~15歳位のことを思い出しながら。
    高楼さんの小説を読むとき、自分自身の思い出の詳細の断片が、不思議なくらい整理されて思い浮かびます。私自身の思い出と小説の内容は当然全く違うのに、言葉にできなかったり、整理できずに抱えてきた思いを、代わりに書いてくださっているかのように感じます。
    不思議ですね。感じた思いも違うのに、「代わりに」と感じるのも。
    高楼さんと同年代の私にも大変楽しめるので、いつも楽しみにしています。

    りこさん

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