ジオジオの かんむり

こどものとも|1960年7月号

ジオジオは、だれでもその冠を見るとかくれてしまう、強いライオンの王様でした。でも白髪がはえ、目も見えなくなってきたある日、ヒョウとヘビに卵をとられた灰色の鳥が、ジオジオに話しかけてきました。ジオジオは王冠に卵を産むようにすすめました。鳥はジオジオの頭の上に巣を作り、春には無事ひなが孵りました。『かばくん』のコンビの最初の作品です。

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「ジオジオのかんむり」のこと 中谷千代子(絵本作家)

 「ジオジオのかんむり」がはじめて福音館から出版されたのは、1960年ですから、もうひと昔前になります。この絵本は、私の最初の作品で、いろいろと思い出すことも多く、忘れ難い絵本となりました。
 当時、新しい形式の絵本として「こどものとも」が福音館から出版され話題になっていました。私が絵本について興味を持ちはじめたのは、ちょうどそのころでした。カリジェとかホフマンなどのすぐれた絵本を見て、その魅力に心ひかれていたところへ、親友の岸田衿子さんから、ふたりで絵本を作ろうと相談を持ちかけられました。そこで松居社長にお会いしたところ「こどものとも」に描くようにすすめられ、岸田さんと絵本の制作にとりかかったのが「ジオジオのかんむり」のはじまりでした。年老いたライオンが小鳥のたまごを育てる物語を岸田さんが書いてくれました。この物語は岸田さんの作品のなかで、私の大好きなものの一つですが、このお話を何回も読み返しながら、夢中になって描きあげました。このジオジオは、私たちのイメージとしては、どうしても王者の風格があること――人間でたとえれば、仕事のために戦いぬいた年老いた芸術家――大げさにいえば、ピカソのようなおじいさんを思いうかべていました。私はそのイメージに合うライオンをさがしに上野の動物園へ行きましたが、そのころはなかなか風格のあるライオンがいなくて困りました。それに堀をへだてているので近くで見ることができません。私はがっかりしましたが、知人から京都の動物園のことを聞き、京都までとんで行きました。幸運にも私のイメージに合った堂々たるライオンがおりに入れられていて、私の目前で「ウオー」とほえたてました。私はうれしくなって何枚もデッサンをとりました。絵本にとって、文と絵との関係ぐらいむずかしいことはありません。文と絵は一つにとけ合っていなくてはならないからです。物語を生き生きさせるためには、画家の責任は重大です。幼児は絵を見ることによって絵本の物語をくみとるのですから絵が物語を語っていなくてはなりません。私は、この美しい物語を絵本にするにあたって、岸田さんと何回も話し合いました。
 「ジオジオのかんむり」が出版されてから、私の知人の子どもにこの絵本をあげたところ、その子はおとうさんを「ジオジオ」と呼び、背中に乗せてとせがんだそうです。私たちはこの話を聞いて、ほっと安堵したことがあります。ライオンと小鳥の情愛を子どもが感じとってくれたら作者にとってこんなにうれしいことはありません。そしてその子どもたちがおとなになって、もういちどこの絵本を見てくれたならばなおさらしあわせなことだと思っています。
 この絵本についてもう一つ忘れられないことは、この「ジオジオのかんむり」が出版されたころ、ちょうどヒューリマン女史(スイスの絵本の評論家)が来日されました。女史が帰国のおりに銀座の本屋さんで、ふとこの本を見てたいへん気にいられ、すぐに買って帰られたそうです。私はそのことを後日、女史から聞いたのですが、ヒューリマン女史とのおつきあいはこの「ジオジオのかんむり」がはじまりだったわけです。
 現在までに、スイスをはじめ、ヨーロッパ、アメリカ各国で「ジオジオのかんむり」が出版されました。年老いたジオジオは、世界の多くの子どもたちにお友だちになってもらい、どんなにかうれしいことでしょう。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
20ページ
サイズ
26×19cm
初版年月日
1960年07月01日
シリーズ
こどものとも
ISBN
テーマ

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