遊ぼうね、みんな! 長谷川摂子
おたからまんちんだとかしっかかもっかかだとか、何と響きの面白い愉快な名前でしょう。もんもんびゃっこは絵を描いてくださったふりやさんの見事な造形にひかれて、わたしが作った名前ですが、あとの二人のおばけの名は、実は、わたしの創作ではなく、幼児をあやす無意味な言葉として昔から伝えられているものなのです。一昔前、爺(じい)様(さま)や婆(ばあ)様(さま)がひょうきんな顔でこんな言葉を口にして、幼い子を笑わせていたのかと思うと、わたしもひとつやってみたくなりました。そんな気持ちがこの絵本に結びつき、古来のあやし言葉は子どもの心をもった遊び好きのおばけたちの名前にめでたくおさまった次第です。
一方、自分でも、つい子どもが笑ってしまうような、意味はないけれど心が弾むうたを作ってみたくなり、”めっきらもっきら どおんどん“のうたが出来上りました。このうたと、名前だけ先にきまった愉快なおばけのトリオを軸にこの物語が浮かび上ってきたわけです。”めっきらもっきら どおんどん“は、自前の節(ふし)をつけてさんざん子どもにうたってやり、一時わが家の息子はかんた顔負けの大声で、このうたをうたいまくっていました。ここに紹介したのがその自前の節です。もちろん読者の方も勝手な節で自由にうたってください。いろいろな”めっきらもっきら どおんどん“が生まれ、たくさんの子どもたちが元気な声でうたってくれることを願っています。
いつでも、とんだりはねたりしている子どもたち、手にしっかり握れる小さな宝物に心を熱くしている子どもたち、大声でわめきちらす子どもたち、何か怖い(こわ)ことないかな、と胸をどきどきさせている子どもたち、友だちが好きで好きで仕方がないくせに時々母さんが恋しくなる子どもたち、そんな子どもたちと、この絵本でわたしは思いきり遊びました。さあ、今度は子どもたちがこの絵本で遊んでくれる番です。遊ぼうね、みんな、みんな!