福音館書店

きょだいな きょだいな

こどものとも|1988年5月号

あったとさ、あったとさ。広い野っぱら、どまんなか、巨大なピアノがあったとさ。子どもが100人やってきて、ピアノの上で鬼ごっこ……。広い野原のまん中に、巨大な電話、巨大なトイレットペーパー、巨大な泡立て器など、巨大なものが出現し、子どもたちがそこで自由に遊びます。電話は地獄につながったり、泡立て器は空に雲を湧きおこしたり、奇想天外な出来事をまきおこします。

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底抜けにめちゃくちゃに 長谷川摂子

『きょだいな きょだいな』の歌のイメージがどこからきたのか、今、その答えを書かなくてはと思ったら、なんだか自分できょとんとしてしまいました。「どこって、そんな……」と、しどろもどろになりそうです。とにかく、「あったとさ あったとさ」とくり返しているうちに巨大な野原がガーンととび出してきたのですから。きっと「あったとさ」という言葉には現実を超えたとんでもないものを招きよせる不思議な力があるのかもしれません。ほら、昔話だって、「あったてんがな」とか、「昔、あったとさ」とかいうではありませんか。あれはきっと、この世ならぬ世界の扉を叩くノックの音なのでしょう。「あったとさ あったとさ」とノックをし続けるうちに、いきなり扉があいて広い野原と百人の子どもの歓声がどっとおしよせてきた、というのが正直なところです。
 でも、扉の向こうに映った自分をちょっぴりあぶり出してみると、わたしにはイギリスふうの理知的なナンセンスよりも、理屈ぬきの途方もない馬鹿馬鹿しさのほうが性に合っているようです。洗練されたアリスより土くさいガルガンチュアのほうが……。
 ともあれ、この絵本で子どもたちに、底抜けになって、めちゃくちゃに遊ぶ開放感を届けられたらいいな、と思っています。 
 絵を描いてくださった降矢ななさんの製作過程に二年近くつき合って、彼女の凄絶ともいえる苦闘ぶりを目のあたりにしました。コラージュ(貼り絵)の手法を取り入れた、力強くしかも超現実的な透明感のある絵を見た時は、こちらもうれしくてとびあがりそうでした。
 この絵本の全場面に登場する子ぎつねは、彼女が産みの親です。「子ぎつねに感謝」が彼女の口癖でした。無人の野原に、デンと巨大な道具だけがある荒涼たる風景を思ってみてください。子ぎつねの愛しさがよくわかると思います。可憐な糸になってこの本を綴じてくれた子ぎつねに、わたしからも「ありがとう」。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
32ページ
サイズ
19×26cm
初版年月日
1988年05月01日
シリーズ
こどものとも
ISBN
テーマ

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