カニ ツンツン
こどものとも|1997年6月号
カニ ツンツン ビイ ツンツン。スプモーニ トトーニ……。アイヌ語であらわした鳥の鳴き声、イタリアのアイスクリームの名前、アメリカ・インディアンの部族名、英語の幼児語……。すでに存在する不思議な響きのことばと、創作のことばを自在に組合せ、鮮やかな色彩のユーモラスな物体が次々に登場する、ことばと色と形が絶妙のリズムとハーモニーを奏でる絵本です。
- 読んであげるなら
5・6才から - 自分で読むなら
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※上記価格は当該号刊行当時の価格です。
こどものとも|1997年6月号
カニ ツンツン ビイ ツンツン。スプモーニ トトーニ……。アイヌ語であらわした鳥の鳴き声、イタリアのアイスクリームの名前、アメリカ・インディアンの部族名、英語の幼児語……。すでに存在する不思議な響きのことばと、創作のことばを自在に組合せ、鮮やかな色彩のユーモラスな物体が次々に登場する、ことばと色と形が絶妙のリズムとハーモニーを奏でる絵本です。
※上記価格は当該号刊行当時の価格です。
カニ ツンツン 元永定正
一九六六年、金関さんとの初めての出会いはニューヨークであった。帰国してからもパーティーで会ったり二、三度お住まいにも伺って泊めていただいたり、時々しか会えなかったけれど金関さんとはいつも心の通う時間があった。
絵本を作ろうという話がでたころ金関さんは入院された。それからも二、三回お会いするチャンスがあった。割合お元気だったのに、昨年七月帰らぬ人になってしまわれた。しかし絵本の原稿はできていたのである。これは感激だった。聞くところによると苦しい時、もうできないといっておられたようだが、その生死のなかで、金関さんの最後の原稿はできあがっていたのだった。それは私の絵を意識しておられたからかもしれないが、何とも底抜けに明るくてリズミカルで楽しさがあふれているおもしろさいっぱいの作品になっていた。とても生死と戦うなかで書かれたものとは思えない。どんな時でも遊び心を忘れない金関さんのおおらかな心が感じられる作品である。
再び入院されたことを聞いたある日、詩人で小説家で、写真家というナンシー・ウッドの著書を金関さんが翻訳された『今日は死ぬのにもってこいの日』が届いた。今、何でこれが送られてきたのかと私は驚いた。それからしばらくして彼に会ったのだけれど「あ、あれね」と笑っておられたのも印象深い。
「カニ ツンツン」はアイヌが聞いた鳥のさえずる声らしいし、英語の幼児語や三味線の拍子、インディアンの部族名や人の名前などが寄せ集められ、金関流儀に調子よく片仮名で並んでいる。私は金関さんの詩のリズムを楽しみながら、私の形と私の色の色彩で一気阿成に仕上げた。「カニ ツンツン」の小さな赤い形は、頁をめくるたびにそれを捜す楽しさもと付け加えたが、この絵本は言葉のリズム、形のリズム、色のリズムなど快いリズムいっぱい溢れる作品になったと思う。楽しい絵本になりました。ありがとう。金関さん。
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