また、ぞうくんのさんぽです なかの ひろたか
36年ぶりに、ぞうくんが散歩に出かけました。あいにくの雨ふりです。
それでも、ぞうくんはごきげんです。でも、雨の日は、だあれもいません。お池まで来てしまいました。
そこでやっと、かばくんに会うことができました。
「かばくん、さんぽにいこう」
私は、36年前、この本(1作目の『ぞうくんのさんぽ』)が出版された時、2作目を考えないわけではありませんでした。でも、考えつきません。友人も
「それは、無理だろう。これは、話が主人公じゃないか」
私も、そうだと思います。ただ、できるとすれば、さかさまに積み上げられたら、おもしろいだろうな、ということです。すると友人が、またも、
「なんだ、なんでもありかよ」
そこで話はおしまいになり、この事は、脳のシワの中に消えさってしまいました。
でもぞうくんは、けなげに、36年間、かばくんをせなかにのせ、わにくんをのせ、かめくんをのせ、ひっくり返り続けてくれたのです。
そんなある日のこと、私は、かばくんのせなかにぞうくんをのせることに成功しました。
「そうだ、水の中だ!」
でも、2作目を創るには、あまりにも長い時が過ぎていて、今さら、それはないだろうと思いつつ、おっかな、びっくり、さりげなく、編集者にこの話をすると、
「それは、おもしろい」
そこで、私は
「なっ、おもしろいだろ」
急に、威張ってしまいました。