筆まめな私 にしむらあつこ
私は手紙をよく書きます。この絵本を作るようになってから、さらに私の筆まめは発展し、今では郵便屋さんを道端で見かけると、ホネホネさんと照らし合わせて、じっと見入ってしいます。今は、バイクで配達するのが主流ですが、時々赤い自転車で路地を曲がる郵便屋さんを見つけると嬉しくて、ニヤけてしまいます。郵便局の前を通ると気になることが増えました。新しい記念切手が出てないかついつい立ち寄るのも習慣になりました。たいがいは、切手を買うとすぐに、あの人へ出そうと使ってしまうことが多いです。
手紙のやりとりは、私にとっては長年の友情を育てていたり、これから親しくなるかもしれない人へ、私という人間のこと上手く伝えてくれるものだったりします。手紙をたくさん書いているうちに、手紙を受け取る相手が迷惑に感じることのないような関係を作っていくことが大事だと思うようになりました。
旅先から手紙をもらうのはいいものです。外国でも国内でも、一枚のハガキにその土地の気配が伝わります。その手紙を書きながら旅している友だちを、想像したりもできます。その楽しさを知っているので、私も旅へ出ると必ず手紙を出すようになりました。三年前パリへ旅行した時は、「記念切手をください」というフランス語をまず覚えて、郵便局へ出かけてみました。沖縄へ旅行した時は、沖縄だけで、発売されている、マンゴーとパイナップルの絵の切手がありました。最近では決まって、六月の終わりから七月になると、リュックを背負って、どこかへ旅したい気持ちがむくむく芽生えます。そんな季節に、ちょうどこのお話も生まれました。
それからもう一つ、この本を作るにあたって、子どものころ好きだった遊びを思い出しました。それは、想像の家の断面図を描くことです。たいがいは、三階か四階建ての家でしたが、いつも一階を描いた所で力つきてしまったものです。この絵本では、そんな「家」に対する私の遊び心を込めました。その辺を子どもたちに楽しんでもらえたら最高です。