こどものとも年少版8号

にゃん にゃん

こどものとも年少版|1977年11月号

大きいネコ、小さいネコ、黒いネコ、白いネコ、……。だっこしたら逃げちゃった。みんな走っていった先は……。「いやだいやだの絵本」の作者による、かわいらしい貼り絵の絵本。

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猫とマーちゃんと私 せな けいこ

私が「いやだいやだの絵本」を作ってから、もう十年以上たった。もっとも印刷されたのはもっとあとだけど。第二集の「あーんあんの絵本」が出版されてからだって、五年はたっている。絵本の主人公だった息子が、もう中学一年生、娘も小学四年生になったのだから。
その後、いろんな出版社から「赤ちゃん絵本を作りませんか?」とすすめられたけど、私は作らなかった。なぜかというと、うちの子がもう大きくなったのに、二・三才児のための絵本を作ったら、それは本物じゃないと思ったからだ。絵本は子どもの心や生活の成長に合わせて作るべきで、単に商売のために絵本をまとめるなんてことは少なくとも私には恥ずかしくてできない。
その私にこの絵本を描かせたのは、小さな姪だった。当時二才だったマーちゃんは、母親についで私を信用していたので、この子に何か絵本を作ってやりたくなり、春休みに泊りがけで遊びに来たときに考えついたのが、この「にゃんにゃん」だった。きっかけは、私の読んでいた雑誌の猫の絵が気にいって、ひとりでそこを開いては「にゃんにゃん」といって笑い、何度でもくりかえして喜んでいるのを見て、猫の絵本を作ることにきめた。
ところが困ったことに、私はあまり猫に縁がない。うさぎは好きで、いつも描くのでなれてるし、犬は飼ってるから、相当くわしいけど、猫ときたら(私の方は仲良くしたいと思ってるのに)むこうが寄りつかない。きっと、犬のにおいがしみついているのだろう。そんなわけで、今まで描いた猫というと「ふうせんねこ」は猫に託して五才当時の息子を描いたのだし、「ルルねこちゃん」は架空の猫。こんどは、初めて本当の子猫に取り組むことになり、絵本や写真集を集め、道で会った猫を一生懸命観察し、猫好きの人に話しを聞いたり、愛猫の写真を借りたりの苦心惨憺。その上、肝心のマーちゃんが普段一緒に住んでいるわけではないから、たまにしか会えず悪条件が重なり、わずか見開き十一場面の絵本を作るのに思いもかけない長い年月がかかり、彼女はもう四才になってしまった。
やっとできたこの絵本を渡したら、さてどんな顔をするやら?

(1977年)

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
21×20cm
初版年月日
1977年11月01日
ISBN
テーマ

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