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うっかり、うっかりの話 得田之久
動く機械のように思われている、昆虫たちですが、その生活を、子細に観察していると、意外と、そうでない場面に、出くわすことがあります。
暑さと湿度に、うんざりするような夏の昼間。そうでなくとも低い、私の思考能力は、もう、跡形もなくなって、ボーッと、草むらにたたずんでいると、一匹のアシナガバチが、なんともけだるそうに飛んできます。
ところが、私の目の前の草に、おりようとしたハチは、目測をあやまって、体の大半を、空中に着地してしまったのです。
地面にころげ落ちたアシナガバチは、何とも照れくさそうに、首を回して、まわりをながめまわしています。
もちろん、私はあわてて視線をそらすと、まるでそのことに気づかなかったふりをします。それが、エチケットというものです。
間もなく、夏も終ろうとしているある日、はらっぱの石の上で、ハラビロカマキリが休んでいます。
体中の緊張を、すっかりといて、完全に休んでいるようです。
その時です、急ぎ足で通りかかった一匹のオンブバッタが、カマキリの背中をふみつけて、かけぬけていきました。
次にみせた、カマキリの狼狽ぶりは、それは筆舌につくしがたいものでした。
ふだん、冷静で残酷にみえる、この肉食昆虫は、びっくりして、はね起きると、長い足をもつれさせて、石の上をかけおりると、近くの草むらにかけ込みました。
しばらくたって、草むらから、首だけだして石の方をみつめている、あわれなカマキリを、私は、草の先でつつきながら、しつこくからかいました。
「おいどうした、オンブバッタは、お前の大好物じゃなかったかね」
前の日に、別のハラビロカマキリに、指先を食いつかれた仕返しです。
ところで、ありはありまきの出す甘い汁をなめるのを非常に好み、ありまきをとても大切にしています。ですから、このありまきを食べるてんとう虫などがやってくると、ありまきを守るために、それらの虫をおいはらおうとします。
この絵本は、うっかり、ありのいるのに気づかずに、ありまきを食べにやってきたてんとう虫の物語です。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1982年06月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
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