作品についてもっと知る
いちご畑のコーラス 平山和子
いちごをひとつぶ手にとって口に入れます。すると、よろこびが口の中にひろがるようです。何と良い香り、味、歯ざわりでしょう。
いちごをひとつぶ手にとってながめてみます。何とうつくしい実でしょう。
いちご畑で、赤いつぶを見つけた時、だれでも、思わず声をあげたくなるでしょう。こんなにみごとなものがなるなんて、考えてみると、不思議な自然のめぐみですね。わたしには、いちご自身も、このみのりをよろこんでいるように思われます。
●
初夏の晴れた日です。
いちご畑にすわって耳をすますと、あちらこちらの株から、小さな声が聞こえてきます。
「おまちどおさま」
「よくできたでしょう。おかげさまでこんなにたくさんなりました」
「わたしの実をとってください」
「さあ、これをあなたにあげましょう」
「どうぞたべてください」
「ほら、ここにもまっかないちごがありますよ」
「さあどうぞ」
「さあどうぞ」
いちごたちは、待ちに待ったみのりの時をよろこんでいるのでした。それは楽しいコーラスのように聞こえます。
「いいお天気ですね」
「今日はうんと赤くなりますよ」
「それに甘くもね」
「これからつぎつぎにみのりますよ。まいにちとりにきてください」
わたしも声をかけたくなりました。
「秋に苗を植えてから、冬が過ぎ、春が過ぎて、やっとみのったいちごたち、かがやくようなまっかないちごを、ほんとうにどうもありがとう。わたしもよろこんで摘みましょう。いただきます」
●
あなたがいちご畑にすわったら、どんな声が聞こえてくるでしょうか。
いちごのひとつぶを手にした時、どんなことを感じるでしょう。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1984年04月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
みんなの感想(0件)
まだ感想がありません。
ぜひお寄せください。
※いただいた感想は編集を加えたうえで、弊社宣伝物に使用させていただくことがございます。また、本サイトのより良い運営を妨げると判断した感想は、予告なく削除する場合がございます。ご了承ください。
※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご質問・お問い合わせについてはこちらをご参照ください。
※ご登録いただいたメールアドレスは、レビューに関する弊社からの問い合わせや連絡等の目的以外には使用しません。

