作品についてもっと知る
『あさですよ よるですよ』について 加古里子
この絵本は豆ちゃん一家の一日を描きました。私のちいさい頃、豆は大事な食物でした。赤飯や豆入餅は年に数回お目にかかるだけで、甘味が少しついたオタフクの煮豆やキナコはごちそうでした。またクズ豆を煮たのをツナギにしてヒゴ細工を組み立てたり、ハシで豆つまみを競ったり、白と黒の豆を盆の上で区分けしたり、小豆のお手玉の感触を楽しんだり、豆は親しい遊びの材料にもなりました。
小学生の腕白時代、近所に女手一人でやっている遠藤という酒屋があって、そこにまたすごい二人の子がいました。年がちょうど私の上下になる兄弟で、ある時私はこの兄弟に泣かされ、「〽エンド豆バカ息子、ダイズにアズキ」とわめいて帰ったのをよく覚えています。一月ほどたった後、突然数人の男がその酒屋に入り込むと、おかみさんと腕白兄弟が半泣きでその家を去って行きました。借金がかさみ差し押えられたと聞いても、当時の私には理解できぬ謎の事件でした。
中学一年のとき読んだマザーグースの豆の歌が、強く印象に残っています。その中に「ピース・ポリッジ・ホット」と「ピース・プディング・ホット」というよく似たのがあって、竹友藻風さんのを転訳(?)して喜んでいました。
〽あついえんどう豆ポリッジよ
さめたえんどう豆ポリッジよ
なべのえんどう豆ポリッジよ
ここのか すぎたポリッジよ
Pの字 ぬいて かけるなら
おまはん 学者になれるだろ
最後の二行が私の英語力では、未だに謎で、こんなことを想い出しながらつくりました。
*
豆には多くの種類があり、英語のピースとビーンズも区別されていますが、この豆ちゃん一家はどちらなのでしょうか。銀行名に使ったビーンズには、俗語でコゼニをいうとのこと、従って豆ちゃん世界の一六銀行と思ってくだされば結構です。
では皆さん まめで またこんど。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1986年08月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
みんなの感想(0件)
まだ感想がありません。
ぜひお寄せください。
※いただいた感想は編集を加えたうえで、弊社宣伝物に使用させていただくことがございます。また、本サイトのより良い運営を妨げると判断した感想は、予告なく削除する場合がございます。ご了承ください。
※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご質問・お問い合わせについてはこちらをご参照ください。
※ご登録いただいたメールアドレスは、レビューに関する弊社からの問い合わせや連絡等の目的以外には使用しません。

