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音の色と形を考える 元永定正
私たちの生活は音にかこまれている。耳をすまさないとわからない音。いつも聞こえているけれど気にならない音。驚いて飛び上がってしまう音は静かなときに突然聞こえる大きな音だ。
リズミカルな音は心踊る。「チリチリチリン」と鳴る風鈴は条件反射か夏の音。「ざあざあ」は夕立のような強い雨音。同じ水でも「ぽたりぽたり」は雨もり、水もれ、しずくが落ちる。「とん」「ちん」「かん」は全部違った三つの音だ。だから「とんちんかん」なことをするな、と叱られる。「かん」でも「かーん」と引っぱれば音に速さが出てくるようだ。金属バットに当たったボール、球場せましと飛んで行く。
夕やけ小やけで日が暮れて山のお寺の鐘が鳴る、「ごーん」と鳴る大きな鐘の音は空気の振動が目に見えるようだ。音は空気を振動させて伝わってくるが、空気も動いて音を出す。一秒間に一米空気が動けば「そよそよ」「さらさら」葉っぱを鳴らし、十米は「ぴゅぴゅぴゅう」と電線鳴らし、三十米・四十米「ごーごーごー」と家でも何でも吹き飛ばす。
雪の「しんしん」降る夜は、やはり「しんしん」音がする。「じゃぶじゃぶ」洗濯、「ごぼごぼ」吹き出し、「ぐにゃり」と曲がるは針金で「ぽきん」は枯枝折れる音。「がちゃん」は割れて「どさん」は落ちる。
鉄びんのお湯は「ちんちん」沸いて、小さな鐘は「ちんちん」鳴って、「ちんちん」電車が動き出す。「がちゃがちゃ」鳴くのは、くつわ虫。マージャンする人「がちゃがちゃ」鳴らす。「がちゃがちゃどんどん」賑やか太鼓だ。
この本は音に形はないけれど、音の形を考えて絵本にすれば面白いものになるかもしれない、と思ったところから始まりました。
ところがやってみると、これがなかなかむつかしいものです。音は見えないし色もないのです。あれやこれや考えて、心に見えてきた音の色と形を描いてみました。
しかしこれは私の考えた色と形ですが、人によってそれぞれ感じかたが違います。同じ音でも違ったものが生まれます。やってみませんか。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1986年09月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
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