こどものとも年少版139号

かえるとカレーライス

こどものとも年少版|1988年10月号

かえるが住んでいる池のそばに山があった。あるときその山が噴火してカレーが流れ出し、山全体がなんと巨大なカレーライスになった! 常識も理屈も笑い飛ばしてしまうナンセンス絵本。

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『かえるとカレーライス』について 長 新太

 オタマジャクシをつかまえて飼うときは、ゆでたホーレン草とか、カツオブシとか、パン屑を食べさせます。そうして大きくなって蛙になったら、生きたハエ、ゴキブリ、ミミズなどを食べさせます。蛙というのは世界中に約三〇〇〇種類もいて、なかにはずいぶん変ったものもおります。アベコベガエルというのは、オタマジャクシのほうが親の蛙より大きい。それからトビガエルというのは、大きな水かきをパラシュートみたいにして空を飛ぶ。それからボルネオイシアタマガエルというのは、頭の骨がかたくて、目玉のうしろのほうまで張り出している。
 まあ、そんなわけで、いろいろな蛙がおります。しかし、なんといっても、いちばん変っているのは、カレーライスの大好きな蛙である!――そんな蛙がいるわけがない、などと言ってはいけません。蛙は世界中に三〇〇〇種類いるのがわかっているけど、もしかしたら、まだ発見されていないヘンな蛙がいるかもしれないでしょ?――カレーライスなんて食べる蛙は世界中さがしてもいない! と断言することはできません。
 そういったことは、世界中の蛙によくきいてから言うべきであって、人間がまだ行ったことのない、深い深い森の中の池なんかに、カレーライスが大好きな蛙がいるかもしれません。そんなところまで行かなくても、そのへんにいる蛙にカレーライスをすすめたら、ペロペロと食べるのがいるかもしれません。
 一〇〇〇〇〇匹の蛙にカレーライスをすすめたら、一匹くらいカレーライスが大好きなのがいるはずです。自由自在にいろいろなことを考えるのはオモシロイ。自由にものを考えるのはいいことだと、わたしは思っています。

(1988年)

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
21×20cm
初版年月日
1988年10月01日
ISBN
テーマ

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