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おべんとうは外で 岸田衿子
ある農家のお爺さんは、今九十三歳。この人は、昔かぼちゃが出盛りの時はおべんとうがかぼちゃだけ。さつまいもを収穫したあとは、さつまいもだけを持って歩いたそうです。このおべんとうが、とびきりおいしくて、他の人たちがほしがるので、わけてあげてしまうと自分のぶんがなくなることもあり、みんなのおべんとうを少しずつもらったそうです。そんなわけで、いつもたくさんおべんとうを持ち歩いていたということです。野菜などは出盛りにたくさん食べておくと身体にもよく、お爺さんは今でも元気なのです。
もう一つは、山の開拓村のおべんとうの話。はじめは土地が肥えていなかったため、粟とか稗、蕎麦それにトウモロコシぐらいしか穫れません。火山岩地で田圃はなく、お米は貴重なので、開拓村の子どもたちはトウモロコシ粉の多いパンを焼いて分教場に持っていきました。それを見た地元の町の子たちは、家に帰って母親に黄色いパンがほしいとせがんだそうです。田圃がない土地でもふつうの家ではお米を買って食べていたからです。
それはそうと人間は取りかえっこができます。さつまいもをもらって代りに何かあげる、ということ。動物はそんなことできるだろうか? 草食動物同士はある土地に生えているものを譲り合うことはありそうだが、肉食同士はありえないだろうか? それにつけても動物同士がお互いの餌の味見をしたくならないものだろうか? ネコやクマがおべんとうを作ってもらうとしたら?――それからそれへと、空想は羽ばたいてしまいました。
山脇百合子さんの絵の中で、リスもコブタもクマも、みんな一匹残らずおべんとうを嬉しそうにひらいて食べてくれます。その嬉しさが誰にも伝わり、日の光いっぱいの外で食べるおいしさも伝わってきて、見ている子どもたちもきっと喜んでくれるでしょう。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1991年04月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
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