福音館書店

こどものとも年少版201号

ねてるのだあれ

こどものとも年少版|1993年12月号

「あかいテントでねてるのだあれ」赤いほおずきの皮をめくると、中にはまっ赤でまん丸のほおずき赤ちゃんが眠っています。「ねてるのだあれ?」そっと皮をあけると現われる、らっかせい赤ちゃん、空豆赤ちゃん、栗の実赤ちゃん……。身近な植物や食べ物の、皮をむき、中身はどんなかな? と見る時の胸のときめきが、暖かいぬくもりのある質感で描かれた楽しい絵本。

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「こんにちは」を今日も 神沢利子
 
子どものころ、ほおずきのふくろをあける時、いつもどきどきしました。あのふくろは、このごろはまったく見られませんが、むかし、あかちゃんをねかせたほろがやに似ています。ふくろをあけると、あかちゃんはそのまん中に、いかにも行儀よくいいこにしているのです。
 そら豆のさやをむく時だって、やっぱり、どこかどきどきしていました。分厚いさやは、綿入れか羽根ぶとんという感じ。うす綿をしいた上に、みどりのかばの子みたいなそら豆坊やがならんでねています。
 みんなそろって大きな口を一文字にして――
 らっかせいは、振るとからからマラカスのように鳴ります。
 なかの実はふたつぶかしら、それともみつぶあるかしら。あてっこしたくなります。
 みかんは、そう、皮に爪をあてると、ぴゅっと汁がとんで目にしみることがありました。爪がぬれて、いいにおいがひろがります。
 なかが見えないから、皮をむく時って、はだかんぼにするようで、すこしはずかしい気もするんですね。でも、子どもがはだかんぼになるのがうれしいように、なかのものたちも、待ってるんです。なかのもの、見えないものたちは、外側のものたちへ音やにおいで信号を送ってくれます。
 その信号をうけとる初々しい心の緊張が、どきどきにつながるのかしらん。
 年をとっても、いろんなものにはじめて出会うような気のすることが多いのですが、子どもたちにとっては、それこそ、会うもの会うものが、うれしい発見でしょう。
 こんにちは、こんにちは。きょうもいろんなあかちゃんに会ってください。

(1993年)

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
21×20cm
初版年月日
1993年12月01日
ISBN
テーマ

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