こどものとも年少版242号

みんなおっぱいのんでたよ

こどものとも年少版|1997年5月号

「もう赤ちゃんじゃないよ」と、子リスはせっせとドングリを食べています。ページをめくると「赤ちゃんのときは、母さんのおっぱい、こくこく飲んでたよ」肉を食べているライオンの子も、貝を食べているラッコの子も、赤ちゃんの時は「おっぱいこくこく」……。同じように、ゴリラやイルカやコウモリも登場。柔らかな魅力ある文章と、見事な生き生きとした動物たちの絵が組み合わされた傑作絵本。幼い読者の共感を呼ぶうれしい絵本です。

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おっぱいさまざま 木坂涼

 我が家では、いったい何回くらい猫のお産があって、何匹の子猫たちが巣立っていったのだったか。歴代の母猫の名をあげるところからして、家族の記憶はもうおぼろだ。雄猫の名まで乱入してきて混乱する。そのくらい我が家にはつねに猫がいて、今もいる。
 猫のお腹が大きくなって生まれそうだとなると、母がダンボール箱で産屋を作った。猫をその中に入れて、こういうものを用意していますよ、と知らせておくと、ちゃんとその中でお産するのもいたし、しないのもいた。
 目のまだ開かない子猫の目元はぷっくりふくれていて、なにしろ母親の体に顔を埋めていようとする。おでこを頼りに進む感じで、鼻をぐいぐい押しあてて乳首を探る。すんなり探しあてるのもあれば、すぐ横にあるのに、あらぬ方向に行くのもいて、四六時中見ていて飽きなかった。
 それからおっぱいの出をよくしようとするのか、くわえた乳首のまわりを子猫が前足で交互に押すのも可愛いらしく、その“踏み踏み”が成長後も残るのが愉快でもあった。以前飼っていた猫の一匹は、寝ている人間を起こしたい時、布団の上からその“踏み踏み”攻撃をしたし、今飼っている雄猫も、やさしく名前を呼ばれ、本人も甘えたい思いがある時などは、掌をパアッと開いてから閉じるような動かし方で、足踏みをしてみせる。
 それに考えてみれば人間だってそうなのだが、雄猫にもおっぱいがあるのが不思議だった。哺乳類に共通といわれているおっぱいだが、その数、その位置など、私にはいまだに不思議の世界と映る。
 同じように体の大きいゾウとカバでは、ゾウのおっぱいが前足の間に二つ、カバのが後ろ足の間に二つ。呼吸に無理があるのに、敵からの安全性ゆえにカバの授乳は水中。アシカは陸の方を授乳の場に選び、おっぱいは四つ。
 リスとアライグマは八つ。おっぱいの数は同じでも、授乳の仕方は片や寝転び型、片や抱きかかえ型。ラッコの場合はお腹の下の方に二つで、空飛ぶコウモリには、体の割に大きく感じられるのが胸の辺りに二つ。
 モグラの仲間のテンレックにいたっては二十四ものおっぱいがあり、ブタには十四。子ブタとおっぱいに番号をつけて実験すると、必ず同じ番号のおっぱいに同じ子ブタがつくそうだ。
 私は今年、生まれてはじめてウシの乳をしぼった。親指と人差し指でおっぱいの根本を挟み、中指、薬指と順におっぱいをくるむように折り曲げてゆくと、お乳がまっすぐに勢い良く出てきた。おっぱいの色はやさしい色だ。

(1997年)

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
21×20cm
初版年月日
1997年05月01日
ISBN
テーマ

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