本をさがす

キーワード
対象年齢をえらぶ
本の種類をえらぶ
シリーズ
ISBN

978-4-8340--*

検索条件を設定してください。

検索条件をクリア

新作童話『オイモはときどきいなくなる』特設ページ

◆『オイモはときどきいなくなる』一部試し読みできます!

モモヨんちの犬のオイモはときどきいなくなるけど、いつも暗くなる前に帰ってくる。でも、その日は夜になっても帰ってこなくて。そこにいること、もうそこにはいないこと、ほんとうのこと、ゆめのこと。すべての境目が浮かんでは消えてく、ときどきとえいえんの物語。
 

▶試し読みはこちら◀

新刊童話『オイモはときどきいなくなる』は、田中哲弥さんの独特のユーモアと情景描写が入り交じった文章と、『つみきのいえ』(2009年)で第81回アカデミー賞 短編アニメーション賞を受賞したアニメーション作家・加藤久仁生さんの絵とともに紡がれる童話です。

◆斉藤倫さんから推薦コメントが届きました。

長編童話デビュー作の『どろぼうのどろぼん』や4月に刊行され好評の『さいごのゆうれい』(福音館創作童話)など、独特の世界観が魅力の物語を生み出してきた詩人の斉藤倫さんが、『オイモはときどきいなくなる』に、いち早く推薦コメントを寄せてくれました。
 
田中哲弥さんと斉藤倫さん、お互い書くものは、まったく違う物語なのに、どこか共通する魅力を感じられるから不思議です。斉藤さんの推薦コメントをご紹介いたします。
 

==================================
オイモと歩いた 斉藤倫 
 
なんでだろ。
モモヨは、ときどき、おもう。つぶやく。

読んでるきみも、なんでだろ、っておもうだろう。立ちどまる。でも、歩きだす。オイモといっしょに。いなくなったオイモをさがして、この話ははじまる。「茶色くて細くてちょっとくさい」。でも、モモヨにとってはだいじないぬ。田んぼや、裏山、さがしては、つれかえって。

オイモはときどきしゃべる。「あめやんだね」。だけどそれは、モモヨの夢だったり。
救急車の音は、おなじ音なのにかわって聞こえる。なんて、お姉ちゃんが説明する。そういうことかなっておもったりもする。

たくさんの季節。やさしいレオンさん。いま見ていることなのか、おもい出なのか、きみは、わからなくなるかもしれない。でも、それでいい。歩いてるのが、山のなかなのか、文章のなかなのか、わからなくたって。もやもやしながら、迷子になって、それも楽しいって知るだろう。だって、オイモといっしょだから。

オイモは、たしかに、いたよ。読み終えたきみは、きっという。だって、ほんとうに、いっしょに歩いたんだ、って。
食い意地のはった家族がつけたから、オイモなんて名前になったけど、ほんとは「オモイ」なのかもしれない。かたちがなくたって、きっと消えないもの。
「おうおうおう」って鳴いて、ばっさばっさ尻尾をふって。だれもがもっている、忘れたって、そこにあるもの。
==================================

◆作品について


オイモはときどきいなくなる
田中 哲弥 作 / 加藤 久仁生 画

モモヨは小学三年生。オイモはモモヨの家の犬のこと。オイモはときどきいなくなるけど、いつも暗くなるまえに帰ってくる。それが、その日は夜になっても帰ってこなかった。でも心配してるのはモモヨだけ。みんななんでか気にしてなくて。そこにいること、もうそこにはいないこと、ほんとうのこと、ゆめのこと。すべての境目が浮かんでは消えながら、『つみきのいえ』の加藤久仁生の絵とともに紡がれる、ときどきとえいえんの物語。

福音館の最新情報

フォローする

あのねメール通信の登録

著者のエッセイや新刊情報を毎月メールで配信します。

あのねメール通信に登録する