日々の絵本と読みもの

絵とことばによるポスターでお小遣いアップ!? 『絵くんとことばくん』

『絵くんとことばくん』
何かを表現するときに、「絵」と「ことば」はそれぞれにいいところをもっています。自分を人に紹介するときも、具体的にどのような顔をしているのか、絵や写真を見せればすぐにわかります。でも、ことばで説明しようとしたら大変です。
「顔の形は丸くって、眉毛はちょっと薄くて、鼻はちょっと曲がっているみたいで……」
一晩中かかっても、絵や写真にはかないません。逆に、絵や写真では、その人がどのような生い立ちで、どのような性格なのかというようなことはわかりません。でも、ことばなら説明することができます。

この作品は、絵というビジュアルがもつ力とことばのもつ力を、「おこづかいをアップしたい!」という小学三年生「優太」を通じて考えていく物語です。

「ぼくはもうすぐ小学4年生。なのにおこづかいはたったの500円だ。これは少ない!」
さっそく優太は、お母さんに対しておこづかいアップをうったえるポスターを作ることにします。すると、そんな優太の頭の中で「それなら、ぼくたちにまかせなよ!」と“絵くん”と“ことばくん”の声が聞こえてきます。そうして、“絵くん”と“ことばくん”はどんなポスターがいいか、相談しながらつくりはじめるのですが、はたして、どんなポスターができあがるのでしょう?



私たちが、なにか情報を伝えるときにつかう「絵=ビジュアル」と「ことば」。ポスター作りを通して絵くんとことばくんが繰り広げるかけあいを通じ、2つのコミュニケーション手段の得意不得意が見えてくる作品です。
 
月刊「たくさんのふしぎ」2000年4月号として刊行され、大好評だった作品をハードカバー化したものです。どうぞ、お楽しみください。

担当S 小学生のときにこんな本を読みたかったなあ……。

2022.01.28

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