日々の絵本と読みもの

ふかふか おふとん いいきもち!『もりのおふとん』

ふかふか おふとん いいきもち!

『もりのおふとん』(こどものとも年少版2018年12月号)

 森の奥に大きな布団がありました。ライオンがやってきて、「こんなところにふとんがある。だれのかな……?」。ライオンは布団に入ってみました。「ふかふか おふとん いいきもち!」。そこへ、ワニもやってきました。ワニは、「すてきなふとんですね。わたしもはいっていいですか?」とたずねます。ライオンは「どうぞ どうぞ」。ワニも布団に入って、「ふかふか おふとん いいきもち!」。
 その後も次々と動物たちがやってきて布団に入ります。みんなで布団に潜り込んで気持ちよく寝ているとき、突然ずるずると布団が引っ張られてしまったから、さあ、たいへん。布団を引っ張って持っていってしまったのは……?


 人気の絵本『もりのおふろ』の姉妹作です。
 『もりのおふろ』は、森の真ん中に突然お風呂があって、動物たちがみんなで背中をこすって洗い合い、いっしょに湯船に浸かるというシンプルな展開ながら、お風呂に入ったときの心地よさや幸せ感があふれている絵本。みんなで背中を洗い合うときの「ごしごし しゅっしゅ」という擬音も楽しく、保育園や幼稚園、ご家庭からも、子どもたちが「ごしごし しゅっしゅ」と言いながら『もりのおふろ』ごっこを楽しんでいるというお便りをたくさんいただきました。

 『もりのおふとん』も、突拍子もない場面で物語がはじまります。なんといっても、森の真ん中に、でーんと大きな布団が置いてあるんですから。でも、動物たちはその状況をすっと受け入れて、布団を共有して楽しく過ごします。動物たちがぎゅうぎゅうになりながらひとつの布団に潜り込んでいるシーンでは、まるでパズルのように動物たちが少しずつスペースを譲り合っている姿がじつにユーモラス。そこで突然事件が起こりますが、最後は『もりのおふろ』同様に、幸せな大団円を迎えます。


 『もりのおふろ』も『もりのおふとん』も、西村敏雄さんによる、あたたかみがあってとぼけた味わいの絵が、独特のおかしみを醸し出しています。そして、ナンセンスな装いながら、子どもも大人も五感でストレートに感じることのできる平和な心地よさにあふれています。
 絵本『もりのおふとん』の心地よさを味わったあとは、家族で、友だち同士で、ひとつの布団に潜り込んで『もりのおふとん』ごっこを楽しむのも、きっと幸せなひとときとなることでしょう! そんなお便りが続々と寄せられることを今から楽しみにしています。


「日々の絵本」水曜担当・Y
チームふくふく本棚の長老。趣味は、お酒と野球とトロンボーン。

2018.11.07

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