日々の絵本と読みもの

はじめて童話にふれる子どもたちにおすすめのおはなし集

読み聞かせにも、ひとり読みにもおすすめ!

はじめて童話にふれる子どもたちにぴったりの、アリソン・アトリーのおはなし集『はりねずみともぐらのふうせんりょこう』をご紹介いたします。

舞台は、イギリスのゆたかな田園風景。のねずみ、はりねずみ、めんどりなどの小さな動物たちがくりひろげる、ささやかな冒険物語です。

のねずみの兄妹は草原で小さな家を見つけます。家の中には、小さなかがみのついた化粧台やすてきなベッドがあり、二ひきはそのベッドで眠り込んでしまいました。その小さな家は、実はコーラという少女が持つ“人形の家”でした。人形の家を草原から家へ持って帰ったコーラ、コーラが飼っている猫が人形の家のまわりを動きまわります。のねずみの兄妹は一体どうなってしまうのでしょうか?!(「小さな人形の家」)

他、はりねずみともぐらが散歩中見つけた風船が、強い風にふかれて空の旅へとくりだす表題作「はりねずみともぐらのふうせんりょこう」と、麦畑のすみの小さなわらぶき屋根の家で暮らす小動物が、人間の女の子と心を通わせるおはなし「のねずみとうさぎと小さな白いめんどり」の3つのお話集です。

いずれのお話も、小さな動物たちと人間の両方の姿が描かれていて、読んでもらった子どもたちは、冒険をくりひろげる小動物の気持ちになったり、人間の気持ちになったり……。本を読むたび、様々な感想を持つことができる作品です。挿絵もたくさん入っているので、絵本から童話へステップアップする子どもたちへの読み聞かせにもぴったりです。

作者は『チム・ラビットのぼうけん』(童心社 刊)『むぎばたけ』などで知られるアリソン・アトリー。長年アトリーの物語の翻訳を手がける上條由美子さんが、絵本から童話へ移行する時期の子どもたちにぴったりのお話を選びました。
アトリー自身がイギリス・ダービシャー州の農場で生まれ育ったため、イギリスのゆたかな自然の中で楽しくのびのび暮らす動物たちの様子が、リアリティをもって物語に描かれています。

そんなアトリーの意図を注意深く読み解いて挿絵を手がけたのは、イギリス留学中に、自然や野生動物をつぶさに観察してきた東郷なりささん。物語に出てくる植物や動物たちの様子から、なんと季節や背景などもわりだして描いたそうです。(詳しくは東郷さんのブログをご覧ください)「はりねずみともぐらのふうせんりょこう」に登場するはりねずみも、東郷さんがイギリス留学中に何度も庭で見た、野生のはりねずみがモデルだそうです。イギリスのはりねずみは、大きくておしりがぼってりしているとか。東郷さんが描く、イギリスの風景、動植物にも注目の作品です。

10月31日(土)〜2021年1月4日(月)予定には東京・銀座の「教文館ナルニア国」で原画展も開催予定です。会場では原画の販売も行います。ぜひご覧ください!
https://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/na_event

東郷なりささんのブログはこちらからもご覧いただけます。
https://narisatogo.blogspot.com/

担当A・東郷さんのブログには手作りの“人形の家”が…! 遊んでみたいです。

2020.09.25

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