ゆうべのおもちゃ

ゆうべのおもちゃ 7 ゴム人間

もっと子どもと遊びたいのに、ついつい家事や仕事に追われてしまって……。そんな日々のすきま時間に、がんばらずに楽しめる手作りおもちゃを、毎月1つご紹介します。第7回は「ゴム人間」です。

ゴム人間


 ずいぶんまえのことですが、パリの露店で、顔が描いてある不思議なゴムの物体を100円ちょっとで買いました。パン種のようにぽってりとなめらかな感触で、手でもむと形が変わります。幼稚園生だったぴょん一も面白がって、太っちょにしてみたり、のっぽにしてみたり、泣き顔にしてみたりと、1年ばかりはいつもちがった表情で棚の上に飾ってありました。いったい中に何が入っているのか・・・・・・。ゴムが劣化し、やぶれてしまったとき、明らかになりました。なんと、ただの小麦粉だったのです!
 身近な素材とわかったので、さっそく作ってみました。ところが、小麦粉をゴム風船に詰めこむのはかなり厄介な作業。豆やお米でも試しましたが、似ても似つかない質感のものにしかなりません。試行錯誤の末たどりついた、小麦粉のつめ方をご紹介しましょう。


 
 

口が広めのびん(この写真は牛乳瓶)に、小麦粉を1カップ程度入れます。漏斗状に巻いてテープでとめた紙をびんの口にさしこんで、ほんの少量ずつ粉を入れていくと、詰まらずにうまくいきます。つぎに風船をりんご大にふくらませます。空気が抜けないように口をひねり、そのまま先端を指で広げて、粉を入れたびんの口にしっかりとかぶせます。ひねりをほどいて逆さまにし、びんの粉を風船に移し替えます。振ったり叩いたりしているうちに、粉は風船に入っていきます。空気を静かに抜き、口を結んで、好きなように顔を描いて、作業はおしまい。
 でも、じつをいうと、まだ完成ではありません。一日おいてみて下さい。空気が抜けきって、あっと驚く感触に変身します。ぴょん子の力では、形を変えるのも意外に大変みたい。
 やぶれるときは、ご想像どおりの惨状。ご注意ください。



堀内紅子(ほりうち・もみこ)
1965年、東京都生まれ。翻訳家。訳書に『ラバ通りの人びと』『三つのミント・キャンディー』『ソーグのひと夏』『わたしの世界一ひどいパパ』、絵を担当した絵本にくまとりすのおやつ(以上福音館書店)などがある。東京都在住。昨年、保育士の資格を取り、世田谷区の子育て支援拠点「おでかけひろば」で修行中。

※ 月刊絵本「かがくのとも」の折り込みふろく(2008年4月号から1年間連載)より転載。当時12歳の長男”ぴょん一くん”と3歳の長女”ぴょん子ちゃん”と一緒に楽しんだ手作りのおもちゃについて綴ったエッセイを、当時のままにお送りします。

2019.10.17

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